「思い出の場所」イムズ営業終了、惜しむ声 福岡市・天神

西日本新聞 ふくおか都市圏版

イムズ建て替えを伝える速報を見る人たち=9日午後5時59分、福岡市・天神 拡大

イムズ建て替えを伝える速報を見る人たち=9日午後5時59分、福岡市・天神

 「イムズ建て替えへ」-。9日夕、福岡市・天神の商業ビル「イムズ」の営業終了と建て替えを伝える本紙号外が張り出された天神では、行き交う人々から驚きの声が上がった。平成元年の開業以来、福岡の中心で最先端の文化や情報を発信してきたイムズ。人々は建て替えに期待を膨らませる一方、別れを惜しみ思い出を振り返った。

 九州産業大4年の森田栞菜さん(22)と岡村沙耶さん(22)は「えーっ」と声をそろえて驚いた。森田さんは「天神コアも天神ビブレも無くなっちゃうし、服を買う場所が無くなりそう」と肩を落とした。

 平成元年はイムズに加え、ソラリアプラザ、ユーテクプラザ天神(現天神ロフトビル)が天神に相次ぎ誕生し、第2次流通戦争と呼ばれた。同市東区の会社員内山隆さん(49)は「イムズは大学進学で熊本市から福岡に出てきた頃に開業し、デートにも来た思い出深い場所」と振り返った。

 買い物で娘とイムズに立ち寄った福岡県春日市の女性会社員(58)は「吹き抜けやらせん状のエスカレーターが斬新でアート関連イベントも楽しみだった。閉館は寂しい」。30周年の懸垂幕を掲げるビルをスマートフォンで撮っていた福岡市南区の40代女性会社員は、「天神も様変わりすると思うと、平成の終わりをしみじみと実感させられる」と感慨深げに話した。

 イムズ開業時からレストランを出店しているピエトロ(福岡市)の広報担当者は「年末年始に正式な通達があった。最後の日までお客さまをしっかりとおもてなししたい」と話した。

 かぶりものでビルを演じ、福岡の街の物語を描いてきた劇団「ギンギラ太陽’S」主宰の大塚ムネトさんは「平成とともに生まれた金ぴかで吹き抜けのビルのインパクトは強かったし、天神の新たな発展のきっかけをつくった。新施設も、次の時代を切り開く役割を果たす存在になってほしい。今からわくわくしている」と話した。

=2019/01/10付 西日本新聞朝刊=