36警官が1年超毎月執筆料 58カ月、月額137万円も 識者「違法な副業明らか」

西日本新聞

 警察庁と17道府県の警察官が、昇任試験の対策問題集を出版する「EDU-COM」(東京)から原稿執筆料を受け取っていた問題で、12カ月以上、毎月執筆料が支払われていた警察官が少なくとも36人いることが、同社作成の支払いリストで明らかになった。このうち1500万円超を受け取ったとされる大阪府警の警視正には4年10カ月にわたって毎月支払われ、月の最高額は約137万円に達していた。いずれも副業許可を受けておらず、地方公務員法(兼業の禁止)違反などに当たる可能性が高い。

 リストによると、同社は2010年1月~17年3月、警察官467人に原稿執筆料として計1億円超を支払っていた。このうち36人は、問題集の全国版と各県版を執筆。内訳は、全国版12人▽兵庫版7人▽埼玉版5人▽大阪版3人▽北海道、千葉、京都版各2人▽奈良、愛知、神奈川版各1人-だった。

 大阪府警の警視正は10年2月~17年3月に1万8778ページを執筆し、合計額は約1517万円。12年7月以降は毎月14万円以上が支払われていた。

 奈良県警の元警視は現職だった13年1月~17年3月、51カ月連続で計約407万円。東北管区警察局に出向中の宮城県警の警視正には12年8月~17年3月、年10回前後、月当たり約2万~50万円が支払われ、合計は約500万円だった。

 執筆料は階級に応じた単価にページ数を掛けて計算されており、月10万円以上支払われたのは34人だった。階級が警部の場合、月138ページ(200字詰め、約2万7千字)以上執筆していたことになる。

 福岡県警では、特定部署の警部が、毎年3月発行の「福岡論文直前対策集」の設問と解答を執筆。13~17年にこのポストに就いた3人には、年1回の執筆で各40万円が支払われていた。同社関係者によると、この直前対策集は「そのまま(試験に)出る」との評価もあり、執筆料は割高に設定されていたという。

 熊本県警の警視級の署長には13年2月~17年3月、年1~4回支払われ、総額は約250万円。最も分量が多い月は495ページ(約40万円)を執筆していた。

 公務員の副業に詳しい亜細亜大法学部の室井敬司教授(公法学)は「繰り返しの執筆はもちろん、1回限りでも、分量が多ければ公務に支障が出る。警察本部長など任命権者の許可がない限り、明らかに違法な副業だ」と指摘している。

=2019/01/11付 西日本新聞朝刊=

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