築城基地に米機の着陸急増 岩国の代替基地に 米軍、自衛隊進む一体化

西日本新聞

ステルス戦闘機F35B 拡大

ステルス戦闘機F35B

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機が、航空自衛隊築城基地(福岡県築上町など)に緊急着陸するケースが相次いでいる。過去5年間に緊急着陸した31機のうち、2018年は29機(4機は所属不明)で、西日本新聞が入手した岩国基地の「エア オペレーションズ マニュアル(航空機操縦マニュアル)」では、築城基地を緊急事態の「第1の代替飛行場」と位置付けていた。専門家は、米軍と自衛隊の基地運用一体化に向けた既成事実づくりだと指摘する。

 九州防衛局などによると、日米共同訓練など通常の訓練を除く米軍機の緊急着陸は、14年と15年はゼロ。16年と17年はそれぞれ1回(1機)だったが、18年は7回(29機)に急増。12月18日には一度に11機が飛来した。

 多くが、岩国基地で起きた戦闘機のパンクや天候不良による滑走路一時閉鎖が理由で、岩国基地で進む整備事業に伴うものではないという。昨年4月24日に緊急着陸した最新鋭ステルス戦闘機F35Bを除くと、いずれもFA18戦闘攻撃機だった。

 岩国基地が緊急事態の「第2の代替飛行場」とする空自新田原基地(宮崎県新富町)では、14年に1回(4機)、18年に2回(2機)だった。築城基地への緊急着陸の多さが際立っている。

 岩国基地の航空機操縦マニュアルには、パイロットと築城基地や新田原基地とのコンタクトの方法も記されていた。

 06年に日米両政府が合意した在日米軍基地再編のロードマップ(行程表)には、築城基地は新田原基地とともに施設整備が「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還の前に必要に応じて行われる」と記載。防衛省は22年度までに、有事などの緊急時に米軍が使用する弾薬庫や駐機場、宿舎などを築城基地に整備して提供し、滑走路を約300メートル延長することで、両政府が18年に合意している。

 築城基地の緊急着陸の急増はロードマップを踏まえた動きとみられるが、米海兵隊岩国基地は西日本新聞の取材に「保全上の理由から、任務遂行において不可欠な運用の詳細について話していない」と回答した。

 基地問題に詳しい沖縄国際大の前泊博盛教授は「米軍と自衛隊の一体化への動き」と強調。トランプ米大統領が同盟国を重視しない発言もしており、「自衛隊内には米軍のやりたいことを受け入れることで、日米同盟を強化しようという姿勢がうかがえる」と話している。

=2019/01/13付 西日本新聞朝刊=

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