「人生の2分だけください」高2客引き、コミュ力磨く

西日本新聞

元日の夜、人通りもまばらな街頭に立つキャッチの奏君=1日、福岡市・天神 拡大

元日の夜、人通りもまばらな街頭に立つキャッチの奏君=1日、福岡市・天神

「私」事典“ワタシペディア” 平成の終わりに(5)

 「人生の2分だけください」。高校2年のキャッチ、奏(かなで)君(18)=仮名=は、この決めぜりふで客の足を止めさせる。笑ってくれたら、こっちの勝ちだ。

 キャッチと呼ばれる客引きのアルバイトは、完全歩合制の実力社会。提携する居酒屋に客を紹介すると、会計の1~2割が懐に入る。「10代で月50万円を稼ぐことも夢じゃないし、人生に最も必要なコミュ力(コミュニケーション能力)を高めたくてやってる」

 深夜、福岡市・天神の繁華街。彼の手には店のチラシ、耳には店の空き状況を尋ねるイヤホンマイク。さらさらの金髪に黒いピアス、あっさりイケメンの「塩顔男子」は、客のタイプによって臨機応変に口調を変える。急ぎ足のサラリーマンには単刀直入に「居酒屋お探しですか?」。「質が良い」「個人店」「なのに安い」など大人が食いつきそうなフレーズを短時間にちりばめる。同年代の若者なら、友達のようなノリで話しかけ、「面白いヤツ」と自分に興味を持たせることに徹する。

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