博多の魅力、点から面へ 再開発「コネクティッド」始動 高さ、容積率特例不透明

西日本新聞

駅ビルを拡張することになったJR博多駅(手前)。ウオーターフロント地区(奥)を結ぶ大博通りはロープウエーが計画されている 拡大

駅ビルを拡張することになったJR博多駅(手前)。ウオーターフロント地区(奥)を結ぶ大博通りはロープウエーが計画されている

 JR博多駅周辺の活性化を図る福岡市のプロジェクト「博多コネクティッド」を受け、地場企業による再開発が動きだす。博多駅ビルの拡張に乗り出すJR九州をはじめ、博多駅から半径500メートル以内にあるコネクティッド対象地区の地権者などが、今月末にも街づくり協議会を立ち上げる計画。これまでJR博多シティや隣接するキッテ博多など「点」で発展してきた博多駅エリアが、「面」での成長に向け新たな局面を迎える。

 博多駅周辺は2011年にJR博多シティ、16年にキッテ博多が開業し、商業エリアとして急速な発展を遂げてきた。だが近辺には老朽化した建物も多く、にぎわいは博多シティやキッテ博多がある博多口側に集中。筑紫口側でもホテルの建て替えなどが進んでいるが「博多駅を中心ににぎわいが分断されるという皮肉な状況」(JR九州幹部)になっている。

 コネクティッド構想を受け、JR九州や西日本鉄道、福岡地所などの地場企業は新たな街づくり協議会を立ち上げ、連携して同エリアの利便性や魅力向上に取り組む計画を進めている。JR九州の青柳俊彦社長は「10年、20年後も博多駅周辺が魅力ある地域であるためには、今から動きだす必要がある」と話す。

 地元経済界も博多駅周辺の一体的な発展に向け、筑紫口側にある国の合同庁舎を同市東区の九州大箱崎キャンパス跡地に移転し、庁舎跡地をホテルや商業用地として活用するよう、福岡市などに提言している。

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 ただ福岡市が今春に発表するとしている容積率や高さ制限緩和などの「特例」の詳細は、まだ見通せない。

 福岡市の天神・大名地区の再開発事業「天神ビッグバン」では、建物の高さの上限を76~115メートルまで緩和。西鉄はこれを受け本社が入る福岡ビルなどを解体、24年に天神地区で最も高い地上19階建て(高さ約96メートル)の複合ビルに建て替える計画を発表している。

 これに対し福岡空港に近い博多駅周辺は天神地区以上に高さ制限が厳しく、JR博多シティ、キッテ博多とも高さは約60メートル。福岡市は「天神エリアほどの大幅な制限緩和は期待できない」と説明するものの、地権者側は「建て替えるメリットが少なければ、再開発の機運は高まらない」と支援メニューの拡充を訴える。

 また、福岡市中心部で再開発計画が一気に進むことによるオフィスや商業施設などの供給過剰や、20年の東京五輪・パラリンピック後の景気動向への懸念も根強い。

 福岡市では博多や天神地区に加え、博多湾に面したウオーターフロント地区でも、大型コンベンション(MICE)施設や、高級ホテルなどの開発計画が進んでいる。旺盛なオフィス需要や外国人観光客の増加などの追い風を生かしながら、新たな魅力ある都市づくりを進められるか。コネクティッド事業の“第1弾”と見込まれる博多駅ビル拡張が、その試金石となる。

JR九州が博多駅ビル拡張へ 19-21年度着手 福岡市の容積率緩和を活用

=2019/01/19付 西日本新聞朝刊=

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