【街 みらい】北九州市政点検 折尾地区総合整備事業 住民「街の完成図早く」 最大地権者JRの動向が鍵

西日本新聞

 鉄都・北九州市の西の玄関、JR折尾駅(八幡西区)周辺で、市が総事業費約840億円を投じる「折尾地区総合整備事業」が進んでいる。2020年度には新駅舎が開業する予定だが、区画整理が進む駅南側や広大な高架下の用途は定まっていない。住民からは「早く街の完成図を知りたい」との声が上がっている。

 昭和の雰囲気が残る堀川沿いの飲食店街で知られる街区周辺は現在、空き地が目立つ。駅近くの東筑高OBの公務員男性(54)は「35年ほど前は学生向けの店も多かった」と往時を懐かしむ。

 鹿児島・筑豊両線高架化を含む鉄道連続立体交差化と、周辺の街路整備、区画整理を一体的に行う整備事業は04年に着手。市は南北に駅前広場を設置するほか、周辺の踏切撤去と道路の拡幅・新設による慢性的な渋滞解消も目指す。事業の完了予定は25年度。

 市折尾総合整備事務所によると、区画整理は駅南側の約17ヘクタールで実施。公園や道路になる部分を除く約14ヘクタールが、再開発される。土地の所有者は約300人で、建物の55%(18年11月末)は既に移転が済んだ。ただ、市と交渉中の地権者もまだいて「将来の土地利用法が決まるのはまだ先の話」(市関係者)という。

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 鹿児島線の特急が停車し、博多駅に最短約30分、小倉駅に同約15分で行ける折尾駅周辺は近年、注目を集めている。市住宅供給公社によると、駅北側の折尾署跡に建つ複合施設「折尾クロステージ」の分譲マンション部分は、全116戸が完売した。福岡市からの入居予定者もあり、現在も数十件のキャンセル待ちがあるという。

 再開発の成否を左右するのが、筑豊線の線路部分など約4ヘクタールを所有する最大地権者であるJR九州の動向だ。高架化により新たに生まれる土地約1・6ヘクタールも所有し、商業施設の設置などが期待される。市内の大手デベロッパー関係者は「JRが土地活用の計画を発表すれば様子見の地権者が動き、駅南側でもマンション建設などが一気に進む可能性がある」と指摘する。

 一方で、再開発によって堀川沿いの飲食店がなくなるなど、街の個性が消えることへの懸念もある。まちづくり団体などでつくる「おりお未来21協議会」の安井紀義会長は「にぎわいが生まれることは歓迎だ。にぎわい創出とともに、折尾らしさは残してほしい」と求める。

=2019/01/23付 西日本新聞朝刊=

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