81年前の父の出征のぼり、実家で発見 佐賀市の竹下さん「召集2回、よく無事に」

西日本新聞

父の渕郎さんの出征のぼりが見つかり、「父が帰ってきたよう」と話す竹下安良さん 拡大

父の渕郎さんの出征のぼりが見つかり、「父が帰ってきたよう」と話す竹下安良さん

1938年5月の応召前日、記念写真に収まる竹下渕郎さんと家族ら。後に出征のぼりが掲げられている

 日中戦争や太平洋戦争に従軍した父親が81年前に出征した際ののぼりが、佐賀市南佐賀の結婚相談所代表、竹下安良さん(61)の太良町の実家で見つかった。安良さんは「2回も戦場に行って無事帰ってきた父が、また80年ぶりに帰ってきたようだ」と話している。

 安良さんの父、渕郎さん(1917~2007)は1938年5月、臨時召集を受け、旧陸軍に入隊。のぼりは長さ約3・5メートル、幅約70センチの布に「祝 竹下渕郎君之出征」と筆書きされている。昨年、空き家となっている実家を掃除した際、小屋にあった桐(きり)の布団箱の中から見つかった。

 渕郎さんは中国戦線のほか、太平洋戦争開戦日のマレー半島コタバル上陸作戦に動員されるなど東南アジアを転戦。いったん召集解除されたが、44年に再び召集され、旧ソ連と満州の国境で終戦を迎え、シベリア抑留を経て48年に復員した。後年記した従軍記には、最初の出征時に親戚や知人が武運長久の祈願祭を開いてくれ、のぼりを立てて駅まで歩いたことなどを記述。当時の家族らとの記念写真の後方には、今回見つかったものを含め、5本ののぼりが掲げられている。

 渕郎さんは生前、「抑留は生き地獄だった。(日本の)白いご飯を食べるために生きてやる、と思った」と安良さんに語っていたという。のぼりが見つかったことについて安良さんは「よくきれいに残っていた。父を懐かしく思う」として、26日の渕郎さんの十三回忌で親族に披露することにしている。

=2019/01/22付 西日本新聞朝刊=

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