県警OB「偽患者」紹介? 診療報酬不正受給 虚偽書類作成も指示

西日本新聞

 生活保護受給者を診察したと偽って診療報酬を不正受給した詐欺事件で、福岡市中央区大名2丁目の「いのうえクリニック」の事務長で元福岡県警警察官の宮内真二容疑者(50)が、「偽患者」に仕立てた暴力団関係者を医師の井上勉容疑者(61)に紹介していた疑いがあることが26日、関係者への取材で分かった。

 宮内容疑者は、クリニックの事務員に虚偽の診療報酬明細書の作成も指示していたとされ、関係者は「クリニックを牛耳る存在だった」と証言。県警は、詐取した診療報酬の一部が暴力団に流れていたとみて、宮内容疑者の役割を詳しく調べる。

 宮内、井上両容疑者は、指定暴力団山口組系組員木下優容疑者(33)ら3人と共謀し、生活保護受給者を診察したかのように装った虚偽の診療報酬明細書を提出し、昨年7~9月、診療報酬約24万円をだまし取ったとして詐欺容疑で25日に逮捕された。

 関係者によると、宮内容疑者はクリニックの開業資金1千万円を用立てる代わりに、2017年11月の開業から事務長に就任。当初、訪問診療は井上容疑者が以前勤めていた病院の患者を中心に行っていた。だが、患者が増えず、ある時期から宮内容疑者が「新しい患者」として紹介した暴力団関係者らの診療を行うようになったという。

 「偽患者」となった暴力団関係者は複数いたとみられ、50~60代で通院可能な人にも訪問診療を続けた。診療録には「肝機能障害」「便秘症」などと記入し、虚偽の診療報酬明細書を作成したという。関係者は「元気に歩いているのを何度も見た。暴力団関係者でもいいから患者を増やしたかったようだ」と話した。

 捜査関係者などによると、宮内容疑者は1991~2014年、県警に勤務して博多署や福岡西署などで暴力団捜査を担当した。

 県警によると、クリニックは月300万円の診療報酬があった。井上容疑者らが、訪問診療は診療報酬が外来よりも高いことに目を付け、不正受給を繰り返したとみて実態解明を進める。

=2019/01/27付 西日本新聞朝刊=

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