西日本スポーツ賞 九州に活力与える功績だ

西日本新聞

 大きな木になることを夢見て、種をまく人がいる。その志を受け継ぎ、地道に育む人がいる。そんな営みの果てに、一つの文化が地域に根付き、見事な実りをもたらすようになる。スポーツも例外ではない。

 第64回西日本スポーツ賞がきょう、2団体と2個人に贈られる。優れた成績を収めた選手がいる。競技振興に尽力した人物もいる。たゆまぬ努力と、九州の人々に活力を与えるその功績をたたえるとともに、九州のスポーツ文化の蓄積と歴史に思いをはせる契機としたい。

 アマチュア関係では、アメリカンフットボールのオーパーツ福岡SUNS(サンズ)が初めて受賞した。関東、関西の強豪がひしめく社会人Xリーグで、九州勢として初の1部(X1)昇格を決めた。チーム創設からわずか2年目の快挙である。

 競技を九州に定着させ、レベルを上げるためには、強い社会人チームが必要だ-。サンズの吉野至代表(西南大監督)の胸には、チームの発起人で2017年1月に57歳で急逝した桑原直樹氏(同大前監督)と共有したそんな悲願が息づいている。チームは公式戦無敗の21連勝で一気にX1に上がった。チーム名通り、熱く輝くプレーでさらなる躍進を願いたい。

 全九州大学野球協会の上村賢三事務局長は、体育功労者として高く評価された。

 福岡工業大のコーチを務める傍ら、大学野球を裏方として支えてきた。1994年に始まった九州大学野球選手権の運営に携わってきた。「学生の喜ぶ顔が一番うれしい」と語る献身的な活動に、光が当たることを喜びたい。

 中村学園女子高剣道部(福岡)は3年連続3回目の受賞だ。全国選抜、玉竜旗、全国総体を制する「高校3冠」を2年連続で達成した。女子では史上初の偉業は見事の一言に尽きる。

 昨年の世界選手権で女子個人3位に入った逸材、妹尾舞香選手(3年)を中心にした盤石の布陣で、「剣道王国・九州」の伝統と底力を全国にアピールした。長く語り継がれる圧巻の活躍ぶりだったといえよう。

 プロフェッショナル関係では、プロ野球パ・リーグで3年ぶりに首位打者を獲得し、福岡ソフトバンクホークスの2年連続日本一に貢献した柳田悠岐選手が選ばれた。2度目の受賞である。今年は、昨季逃したリーグ制覇を成し遂げ、九州の球団としては西鉄ライオンズ以来となる3年連続日本一を目指し、チームを引っ張ってほしい。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が来年に迫る。九州のスポーツ界がますます活気づくことを願いたい。

=2019/01/27付 西日本新聞朝刊=

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