「日本一住みやすい街に」 北九州市長選、北橋氏が勝利宣言

西日本新聞

 27日投開票された北九州市長選は、現職の北橋健治氏(65)が、共産党県委員会常任委員の永田浩一氏(53)=共産推薦、地元水産加工会社社長秋武政道氏(58)のいずれも無所属新人2人を破り、4選を果たした。初当選時に掲げた「3期まで」の公約を覆した北橋氏だったが、有権者は市政の安定と継続を選び、地域の発展を託した。人口減少や百貨店撤退など難題が山積する中、4期目に臨む。

 午後8時すぎ、北橋氏は当選確実の知らせを受け、支持者が待つ八幡東区の大谷会館に姿を見せた。会館は、かつての官営八幡製鉄所の従業員専用クラブ。後援会の会合などで利用してきた由緒ある場所を、勝利宣言の場に選んだ。「日本で一番住みやすい街にする。自民党、公明党、(国民民主党系の)ハートフル北九州の市議会与党3会派、経済界、連合など幅広い支援で勝つことができた」と感謝し、深く頭を下げた。

 選対本部長で自民党市議団の片山尹(おさむ)団長は「北橋氏が一生懸命、市民に政策を訴えて勝利した。これからは一緒に力を合わせ、北九州市を再浮揚させていきたい」と強調した。

 旧民主党衆院議員だった北橋氏は通算11回目の選挙。前回2015年の市長選では麻生太郎副総理兼財務相の意向も踏まえ、自民党の単独推薦を受けた。

 北橋氏は今回、市議会与党3会派から等しく支援を得る「市民党」を望んだ。自民、公明、国民民主の各党は、国会議員や県議らも駆け付け大規模集会などを開き応援。組織力で現職批判を繰り広げた2新人を圧倒した。

 北橋氏は「国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の推進などで、北九州の魅力を発信したい。そのために(自分自身の)すべてを燃焼させたい」と強調。「20年の東アジア文化都市事業の成功や、積み上げてきた『人にやさしく元気な街づくり』の総仕上げをしたい」と力を込めて話した。

■「訴え浸透できず」 永田氏

 落選の知らせが届いた永田氏は27日夜、小倉北区の事務所で、「立候補表明から短い期間しかなく、市民の間に私の訴えを浸透させられなかったことが残念」と敗因を分析、悔しさをにじませた。

 告示後は一貫して、北九州市と山口県下関市をつなぐ「下関北九州道路」の建設反対や、返還不要の奨学金制度の創設などを訴えた。暮らしに重点を置く市政への転換を掲げ1日平均20回以上、街頭演説。前回、共産党推薦候補の得票数から大幅な上積みを狙ったが、大差をつけられた。

 それでも「残念な結果となったが、現職批判の高まりを感じた」と手応えを強調。選挙戦を支えたスタッフをねぎらった。

■「出た意味はある」 秋武氏

 多選自粛を覆した現職への批判、人口減などの課題を抱える現市政への不満-。秋武氏は27日夜、門司区の事務所で「皆さんの多くの支援が心に響いた。今後も政治の道を志していく」と述べた。組織的な基盤を持たない中で2万を超える票を集めた。

 現職対共産系新人の構図に異を唱え、告示直前に立候補を表明。長年、門司港地区の街づくりに携わる中で活用する会員制交流サイト(SNS)をフルに駆使し、ネット選挙に力を注いだ。街頭演説にも積極的に取り組み「このままでいいのか」と訴えた。

 秋武氏は「北九州を元気にする活動を続けたい」と話し、「3人目の候補として出た意味はある」と前を向いた。

=2019/01/28付 西日本新聞朝刊=

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