BEGINが3年ぶりオリジナル盤 「29周年…需要があるのはありがたい」

西日本新聞

 沖縄・石垣島出身の3人組バンドBEGINが、3年ぶり20作目のオリジナルアルバム「ポットラック ソングス」をリリースした。映画主題歌やCMソングなど収録11曲全てがタイアップ曲というバンド初の構成。取材に応じたギターの島袋優は「今年29周年でまだ需要があるというのはありがたいこと」と語った。

交響楽団や三線60人との協演作も

 2月22日に福岡市のユナイテッド・シネマ福岡ももちなどで公開される映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」の主題歌「君の歌はワルツ」や、NHKラジオの「深夜便のうた」だった「バンドを組もうよ」などBEGINらしい陽性で優しい歌が多い。その中で異色なのは「網にも掛からん別れ話」だ。

 バンドとして初めてオーケストラと協演した楽曲で、“夜”の香りが強いブルース。ドラマ「とげ」の主題歌として作った時は彼らだけの演奏だったが、京都市交響楽団側からの呼び掛けで実現したライブでの演奏が良かったことからアルバムにその音源を収めた。「自分が出している音を確認するアンプを近くに置けず、慣れない作業で大変だったが、本当に楽しかった」と島袋は振り返る。

 5年ほど前からBEGINが取り組んでいる「マルシャ」のリズムの曲が二つ。特に印象的なのが、オリオンビール60周年のCMに使われた「ソウセイ」だ。ブラジルのサンバの原型となった2拍子のビートに乗せて〈創世 後世 未来に残せ〉などというラップや〈遊ぶさ 踊ゆさ〉などの沖縄伝統の口説(くぜち)が加わる。伴奏に入る三線はブラジルやアルゼンチンなど世界8カ国の沖縄県人会員60人が弾いた音を集めて編集した。“大トリ”として、アルバムの最後にあるこの曲は、さまざまな要素が溶け合って生まれた沖縄の文化そのものを表現しているようにも思える。

 来年はデビュー30周年の大きな区切り。自分たちの歩みを振り返り、島袋は「『こう見られたい』という欲が3人は少ない」と言う。それが等身大で自然体な彼らの音楽を育んできた。「音楽を作って世に出すことでなく、聴いて感動してもらえることが自分のたちの音楽の完成形。今回のアルバムもそう。『聴いてもらえないと』と3人でよく話してます」

 2月には宮崎、熊本、福岡でライブがある。「アルバムを引っ提げてのツアーは久しぶり。マルシャでみんなに汗かいてもらったらいいな」。島袋の意気込みは、恐らく比嘉栄昇、上地等にも共通しているだろう。 (古賀英毅)

BEGINコンサートツアー2019 2月7日午後6時半、日向市文化交流センター(宮崎県)▽9日午後5時半、熊本市民会館▽10日午後5時半、福岡サンパレス(福岡市)。問い合わせは日向は同センター=0982(54)6111、熊本、福岡はBEA=092(712)4221。

=2019/01/28付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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