「ユーモア」という言葉は元々「体液」を指す医学用語だった…

西日本新聞

 「ユーモア」という言葉は元々「体液」を指す医学用語だった。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、人体には四つの体液があり、そのバランスが変化すると健康状態や気分も変わると考えた

▼やがてユーモアは「気分」「気質」の意味でも使われるようになった。気分が良い方向に転じると笑いも起こる。そこから人の気持ちを和ませる「おかしみ」を表す言葉になったという

▼人間の精神状態にとって重要な四つの要素といえば、喜・怒・哀・楽であろう。このバランスが崩れれば、心や体に変調を来す。とりわけ、「喜」、すなわち笑いは、心身の健康になくてはならないものだ

▼医療や介護現場での心のケアにも笑いと癒やしが必要-。そう考えた大阪国際がんセンター(大阪市)は、がん患者への「笑い」の効用を研究。病院内で落語や漫才を実演し、患者を笑わせてデータを収集、分析している

▼先日、舞台に立ったのは人工知能(AI)を備えた漫才ロボット。「大阪万博」など患者が出した「お題」をネット検索し、関連ニュースなどから台本を作成。ボケとツッコミを担当する2台が即興で漫才を演じる

▼体液ではなく電気が流れているロボットが生み出すユーモア。それが、がんと闘う患者の気持ちを和ませ前向きにしてくれる。「医聖」と呼ばれるヒポクラテス先生にも患者の笑顔を見せてあげたい。「こりゃ、おもろいな」と膝を打とう。

=2019/01/30付 西日本新聞朝刊=

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