九大箱崎100年、思い出を壁画に 2月、閉校式で披露

西日本新聞

 移転で建物の解体工事が進む九州大箱崎キャンパス(福岡市東区)の仮囲いに、同市のイラストレーター小宮貴一郎さん(41)が在りし日の学生の姿や歴史的建造物を描いた巨大壁画を制作している。バンカラ、戦争、学生運動…。1911年の大学創立から1世紀余りの歴史が映し出される。2月8日の閉校式で披露され、当面の間、展示する予定だ。

 福岡青年会議所のメンバー斉藤康平さん(39)が「新しい街づくりに向け、九大の歴史や思い出を映し出したい」と依頼した。小宮さんは昨年11月以降、オレンジ、緑、茶、クリームの「ノスタルジックな雰囲気を醸し出す4色」を使い、鉄の仮囲い(縦3メートル、横8メートル)に向き合ってきた。

 描かれた建物は多くの卒業生に思い出がある中央図書館、学生たちが集会や飲み会に使った「三畏閣(さんいかく)」、近代建築物として保存される旧工学部本館など計8棟。戦時中、米軍機に見つからないようタールのような塗料を塗り込んだ応力研生産研本館は茶色で描いた。

 各場面には当時の学生たちの姿も入れた。「事実に忠実に描きたかった」と、小宮さんは当時の写真を参考にし、関係者に話を聞き込んだ。夏の制服としてかんかん帽を着用した男子学生、学生運動でヘルメットをかぶった若者、白衣姿でさっそうと髪をなびかせる現代の女子学生…。それぞれの時代を表現した。

 学生たちの表情を描き入れ、間もなく作品は完成する。「明るい時代ばかりではなかった、この100年の歴史の重みを感じてほしい」。小宮さんは絵筆に思いを託す。

=2019/01/31付 西日本新聞朝刊=

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