〈てんきんってわるもんが、せんせいをつれていった。やっつけるから、もどってきて〉…

西日本新聞

 〈てんきんってわるもんが、せんせいをつれていった。やっつけるから、もどってきて〉。4歳の男の子が、転勤でいなくなった幼稚園の「みさきせんせい」への思いをつづった

▼日本一短い手紙のコンクール「第26回一筆啓上賞」の大賞受賞作の一つだ。今回のテーマ「先生」には約3万9千通の応募があった。その数だけ胸に残る先生の思い出があるのだろう

▼「いそがしいってわるもんが、せんせいをつれていった」。そんな寂しさを抱えている子も少なくないはずだ。教員の仕事が多忙で子どもと十分に接する時間がない-。今の教育現場の深刻な悩みである

▼文部科学省の調査によると、中学教員の約6割、小学教員の約3割の残業時間が「過労死ライン」の月平均80時間を超えていた。このため、中教審は先週、公立校教員の残業が「月45時間」を超えないよう、働き方の是正を文科相に答申した

▼答申は登下校の対応や夜間の見回り、部活動などを見直す改善策も求めた。だが、実行には地域や家庭との連携が欠かせない。「いそがしいってわるもん」をやっつけて「せんせい、もどってきて」の願いをかなえるため、周囲の大人が知恵を絞る番だ

▼大賞には校長先生に宛てたこんな作品も。〈僕の事、知ってますか?僕は全体の中の一人です。いつか見つけてみて下さい〉。自分と向き合ってくれた先生の姿がいつまでも胸に残る学校でありたい。

=2019/01/31付 西日本新聞朝刊=

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