僕は目で音を聴く(36)補聴器は水に弱いんです…

 補聴器といえば聴覚障害者、高齢者が使うイメージでしょうが、具体的にどういう物か分からない人も多いのでは。形状も価格帯もさまざまですが、私が昨年から使っているのは耳の周りに引っ掛けるような形です。耳の穴の中には、耳の形に合った「イヤモールド」という耳栓を入れます。穴の隙間から音漏れして「ピー」というハウリング音を防ぐ仕組みです。

 この補聴器は約15万円だったと記憶しています。公的な補助金があり、私の場合、自己負担は確か1万円ほど。ボタン電池で動き、1~2週間で入れ替えます。寿命は5年ぐらいでしょうか。これまで数え切れないほど使ってきました。昔に比べて性能が良くなり、周囲の音をよりよく拾うようになったと感じます。最近はスマートフォンと連携する種類もあるそうです。

 人それぞれではあるのですが、補聴器は終日外さない人もいます。私も風呂と寝るとき以外は着けっ放しです。ですので、外すと自然に眠くなってきます。体が「補聴器を外すときは寝る」と覚えているのでしょう。目が悪い人が使う眼鏡と同様に、補聴器は聴覚障害者にとって体の一部なのです。

 補聴器の欠点は、水に弱いこと。耐水化も進んでいるようですが、多少の雨や汗なら大丈夫という程度でしょうか。「プールや風呂での使用はお勧めしない」と言われています。

 ある夏、遊園地でショーを見ていたときのこと。係員が観客に「ちょっとだけ水が掛かります」と案内しました。一応、身構えたのですが、ホースで全身にたっぷり水を浴びせられ、驚きました。「ぬれたくない人は後ろに下がって」など、きちんと注意を促されていたら手で補聴器をカバーできたのに…。中学時代、プールの授業を見学していたとき、友人とふざけていてプールに落とされ、補聴器が壊れてしまったことも思い出しました。

 身近に補聴器を使っている方がいたら、水に弱いことを認識して、周りの人も気を付けてほしいなあと願います。

 (サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)

 ◆プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。

※平本龍之介さんによる漫画「ひらもとの人生道」第1巻(デザインエッグ社発行)が好評発売中!

=2019/01/24付 西日本新聞朝刊=

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