「インフル治癒証明書」って必要?一部私立学校では提出義務化 自治体に聞いてみた

西日本新聞 坂本 信博

 「インフルエンザの治癒証明書って本当に必要でしょうか」-。疑問の声が寄せられた。証明書のためにもう一度受診すると、時間やお金がかかる上、病院で別の病気をもらう可能性もある。中国新聞が「こちら編集局です あなたの声から」で報じた記事によると、広島県内23市町のうち5市町が「原則必要」とし、15市町が「不要」とするなど、対応は全国の自治体でさまざま。特命取材班が九州7県と福岡、北九州、熊本の3政令市の教育委員会に取材したところ、いずれも、インフルエンザにかかった児童生徒に治癒証明書の提出は「教委としては義務づけていない」としていた。

 熊本県教委は「欠席ではなく出席停止扱いにするため、罹患(りかん)証明書の提出を求める学校もあるが、結核やはしかなどでなければ治癒証明書は必要ない」。証明書の発行には費用がかかることも多く、北九州市教委は「保護者や医療機関の負担になる」、宮崎県教委は「治癒証明書の提出を義務づけるのは難しい」として否定的だった。

 学校保健安全法の施行規則は、インフルエンザにかかった児童生徒の出席停止期間を明記。佐賀県教委や大分県教委は日数が明確になっていることを提出を求めない理由として挙げた。一方、鹿児島県教委は「学校側の判断で薬の袋を提出してもらい、発症からの日数を確認するところもあるかもしれない」とした。

 私立学校では提出を求めているケースもあった。鹿児島県内のある私立中高では義務化しており、学校のウェブサイトで書式をダウンロードできる。「治癒証明書が提出されれば欠席ではなく出席停止扱いにしている」(事務室)という。

 沖縄県は昨年2月、「出席停止期間を守れば、治癒証明書を求めることに意義はない」として、教育委員会の担当課などに治癒証明書を求めるのを控えることへの周知を文書で協力依頼。那覇市教委は本年度から、医療機関が記入する証明書を保護者が発症日や体温を記入する経過報告書に変更した。提出の際は、受診した医療機関の領収書のコピーを添付するよう求めているという。

=2019/02/01付 西日本新聞朝刊=

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