【福岡コンフィデンシャル】「結束」潜む面従腹背 知事選、揺れる自民議員ら 「現職支援」予告次々

西日本新聞

原口剣生県議の集会であいさつを終えて会場を後にする武内和久氏=1日午後6時40分ごろ、福岡県久留米市 拡大

原口剣生県議の集会であいさつを終えて会場を後にする武内和久氏=1日午後6時40分ごろ、福岡県久留米市

 「一致結束」。自民党本部が福岡県知事選で新人武内和久を推薦するのと引き換えに、党県連に突きつけたのがこの条件だった。だが、これには前段がある。

 党本部が求めたのは、あくまで「夏の参院選での結束」。知事選は、すでに自民分裂が避けられないほどこじれている。党選対幹部は「知事選に党本部は踏み込まない」と話す。ある県選出国会議員は「二階幹事長は、小川を支援しても処分しないと言っている」と打ち明けた。

 現役は退いたが、なお県政界に影響力を持つ元党幹事長の古賀誠は早速動いた。1月31日、近い議員らに会い、「小川を支えていい。うまくやれ」と指示。武内推薦を主導した副総理兼財務相麻生太郎と対立する衆院議員武田良太は現職知事小川洋の支持を公言し、批判の矛先を県連に向ける。「県連はこれまでもさんざん判断をしくじり、負けてきたじゃないか」。小川を支える元副総裁山崎拓の選挙区を引き継いだ衆院議員、鬼木誠は9日の新春の集いに当初予定通り、小川を招くつもりだ。

 県議らは小川県政を与党として8年間支えてきた経緯がある。さらに自民支援団体の県医師連盟や県農政連などが続々と小川推薦を決定。「決まった以上、武内をやるしかない」との声の一方、「面従腹背」を予告する議員も少なくない。「心情的には小川。表立って応援はできないが、積極的に武内を支援することもしない」「下手に動くと大やけどする。知事選は語らず、自分の選挙だけやる」

   ◇    ◇

 それでも麻生は自信をのぞかせる。武内推薦決定後、周囲に米大統領トランプの言い回しをまねてこう語ったという。「こんな結果は地元じゃ誰も予想できなかっただろう。政治のディール(交渉事)ってのは、こういうことだ」

 党本部の調査で小川に大差をつけられていた武内。県連会長の蔵内勇夫でさえ、党選対委員長の甘利明から武内推薦を告げられた際、「えっ、どちらに(推薦が)出るんですか」と聞き返したほどだ。

 麻生は推薦が取れなければ副総理の職を辞す覚悟まで突きつけている。なぜそこまでこだわったのか-。

 党所属議員は、推薦を受けた候補に対して選挙で支援する義務を負う。「造反」は処分対象だ。県連幹部は「県議は従わなければ党規違反。小川を支援する団体も表立って動けなくなる。うまくいけば引きはがすこともできる」。推薦は武内にとって逆転に望みをつなぐ「金看板」となるのだ。

 1日夜、同県久留米市のホテルであった県議団会長原口剣生の集会の冒頭、推薦候補として紹介された武内は「原口先生とタッグを組んで進んでいく」とアピール。その後、記者団に笑顔でこう語った。「いろんなところで、全く反応が変わってきました」 (敬称略)

=2019/02/02付 西日本新聞朝刊=

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