介護で働く外国人指導 4月小郡に支援センター 受け入れ施設に助言も

西日本新聞

インターアジアが作成した「介護のための日本語」の教科書。英語、中国語、ベトナム語に対応し、ICECの教育でも使用する 拡大

インターアジアが作成した「介護のための日本語」の教科書。英語、中国語、ベトナム語に対応し、ICECの教育でも使用する

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法の施行(4月1日)に合わせ、介護現場で働く外国人や、外国人を受け入れる介護事業者を多方面からサポートする「就労支援センター」(ICEC)が福岡県小郡市に発足する。同法に基づく新たな在留資格「特定技能」の労働者や技能実習生などが対象で、介護に必要な日本語教育や生活面の指導、事業者側への助言も行う。こうした包括的な支援組織は九州で珍しいという。

 ICECを立ち上げるのは、1998年に発足した外国人就労支援事業会社「インターアジア」(小郡市)。経済連携協定(EPA)に基づいて来日した介護福祉士候補生や、日本のフィリピンパブや飲食店などで働いた後、介護業界に新たな働き口を求める在留外国人たちを対象に、介護職員の基礎的な資格「介護職員初任者研修」の講座を行ってきた。卒業生は6カ国の300人以上に上る。

 2017年11月に介護分野が追加された外国人技能実習生は、入国時だけでなく、来日2年目にも日本語能力試験に合格することが求められる。介護の現場では、生活指導も含めた教育をどうするか、不安視する声が上がっていた。

 ICECは「アルツハイマー病」「安静」「嚥下(えんげ)」など介護に必要な用語を中心に、日本語教育や文化教育、生活面もサポートする。事業者側に対しては経営者だけでなく、外国人と一緒に働く職員全員に助言する。講師は約20人。介護福祉士や看護師の資格を持つ日本人や、介護福祉士の資格を持つ同社の卒業生など、日本の介護現場で働いた経験のあるフィリピン、ベトナム、中国出身の外国人も加わるという。

 同社の中村政弘代表(78)は「外国人は日本を介護先進国と捉え、期待して来日する。まずは日本人職員に、介護のプロとして『外国人を育てる』という意識を持ってもらえるような助言をしたい」と言う。

 17年9月、在留期限を更新できる在留資格「介護」が新設され、技能実習生や特定技能の労働者も介護福祉士の資格を取得すれば「介護」に変更申請できる。ICECでは、希望者向けに介護福祉士の資格取得を目指す講座も開設する予定。中村代表は「日本に残り、日本の介護を支え続ける外国人も育てたい」と話す。

【ワードBOX】介護と外国人労働者

 厚生労働省の推計によると、2025年度に介護人材が約34万人不足する恐れがある。国は改正入管難民法に基づく新在留資格「特定技能1号」(通算で5年が上限)の介護分野で、19年度から5年間で最大6万人の外国人労働者を受け入れる方針。介護職種の外国人技能実習生(最長5年)は“第1号”が昨年7月に来日。施設が実習生を受け入れるには、日本の監督機関「外国人技能実習機構」に実習計画を申請し、認定を受ける必要がある。昨年12月末時点での申請は1516人で、うち946人の計画が認定された。

=2019/02/04付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ