離島観光客をマイカー送迎 五島・久賀島 4月から実証実験

西日本新聞

 一般のドライバーが自家用車を使って観光客などを送迎するサービスの実証実験が、4月から長崎県五島市の久賀(ひさか)島で始まる。許可なしでの有償運送は「白タク行為」として禁止されているが、乗客がドライバーに任意の「謝礼」を支払う形で合法的に運営するのが特徴。公共交通機関が乏しい離島での、移動手段確保につながるか注目される。

 久賀島には、五島列島最古の木造教会の旧五輪教会堂などがあり、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素になっている。五島市などによると島にはタクシー5台、レンタカー3台しかなく、世界遺産登録後に増加した観光客から「移動に困る」との声が寄せられているという。

 実験は、事前登録したドライバーと乗客をつなぐサービス「クルー」を首都圏で展開するベンチャー企業アジット(東京)、五島市、久賀島の久賀タクシーの3者が協力して実施。乗客がスマートフォンアプリで出発地と目的地を指定すると近くにいるドライバーに通知が届き、乗客を運ぶ。乗車距離などを基にアプリ上で計算されるガソリン代やシステム利用料に謝礼を加えた金額が決済される仕組みだ。

 料金を取って自動車で乗客を運ぶには道路運送法に基づく国土交通大臣の許可が必要だが、国交省は「好意に対する任意の謝礼と認められる場合」は有償運送に当たらず許可が不要との見解を示しており、クルーはこの点を活用している。

 実験は1カ月間で、利用状況や地域への影響などを検証し、本格導入を検討する。アジットは「地域と協力しながら公共交通の充実につなげたい」とする。

 クルーの地方での展開は、鹿児島県与論島に次いで2例目。2018年に実証実験を行い、今年4月から本格導入する。

=2019/02/05付 西日本新聞朝刊=

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