【動画あり】高崎山のサル“スト”一転、皆勤賞? 寄せ場に群れ戻る 職員の誘導や「すみ分け」配慮が奏功

西日本新聞

餌の時間を前に、寄せ場に集まるC群のサル=1月31日、大分市の高崎山自然動物園 拡大

餌の時間を前に、寄せ場に集まるC群のサル=1月31日、大分市の高崎山自然動物園

寄せ場に戻ってきたサル。固まって毛繕いなどをする様子もみられる=1月31日、大分市の高崎山自然動物園 今年の選抜総選挙雌部門1位になったC群のシャーロットも無事に寄せ場に戻ってきた

 餌をやる寄せ場にサルが現れなくなっていた高崎山自然動物園(大分市)に、サルの姿が戻ってきた。山から下りてこない“ストライキ”から一転、1月は皆勤賞。冬場になって木の実など山中の餌が減った上、職員が群れの力関係に配慮して寄せ場の「すみ分け」に努めたことが功を奏し、攻撃を受けていた群れのトラウマも癒え、寄せ場でくつろげているようだ。

 高崎山には勢力を増すB群(639匹)と、弱体化が進むC群(534匹)が生息。昨春以降、二つの群れは木の実などが豊富な山奥に引きこもるようになっていた。一時2千匹を超えたサルを800匹まで減らそうと園側が進めてきた餌の減量に「不満を爆発させた」B群がストライキ。C群は冬場に寄せ場を席巻するB群に恐れをなし、寄せ場に来る習慣自体がなくなったとみられていた。

 一計を案じた職員たちは山中の餌が減る冬場を狙って寄せ場の改善に着手。昨年11月から、B群を南側に集め、空いた北側のスペースにC群を誘導する「すみ分け作戦」に乗り出した。

 B群からの攻撃を恐れるC群は当初、寄せ場の手前で山に引き返していたが、職員が連日「フォーイ」と声を上げるなどしてサルを誘導。すると昨年末から少しずつ寄せ場に現れるようになった。

 B群のサルがC群へ挑発に行くそぶりを見せると、すぐさま職員が制止に入って保護を徹底。手厚い見守りでC群の心の傷も徐々に癒えたのか、1月には職員の誘導がなくても毎日、姿を見せるようになった。C群に所属し、今年1月の「選抜総選挙」雌部門で3度目の1位に輝いたシャーロット(3歳)も元気に餌を頬張っている。

 減少していた来場者も回復傾向にある。入園者は昨年12月の1万5107人から、今年1月には2千人増の1万7387人に。2年前に旅行で来てファンになり、園に通いたくて2週間前、横浜市から大分県別府市に移住したばかりという介護福祉士の袖沢こずえさん(58)は6日、「野生の世界の異変に対応するのは難しいのに、職員の努力でサルが戻ってきたのはすごい。少しでも長く姿を見せて」と感激していた。

 ただ、予断は許さないと職員の下村忠俊さん(45)は言う。山に餌が増える春はもうすぐ。「再び出現が不安定になる可能性がある」と気をもむ。大分市は、大学教授らでつくる市高崎山管理委員会で、餌の量などを再検討する方針を示している。

=2019/02/07付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ