東福岡高ボクシング部、競技経験偽装6選手登録 3人出場 「危険行為」、監督解任

西日本新聞

 東福岡高校(福岡市博多区)ボクシング部の男性監督が昨年11月、福岡県高校ボクシング新人競技大会で「競技経験8カ月以上」の出場資格を満たさない1年生部員6人を選手登録する不正行為をしたとして、同校が監督を解任し無期限の謹慎処分にしていたことが分かった。監督は虚偽の出場資格証明書を作成し、部員にうその説明もさせていた。6人のうち3人は実際に試合に出場、1人が試合後に体調不良を訴えたという。

 大会は昨年11月3~11日に開催。後援した県ボクシング連盟によると、技術の未熟な選手が試合をすると危険が大きいため、国内の高校生の大会では経験8カ月未満の選手の出場を禁じている。連盟は「監督が生徒を危険にさらす行為を主導しており、指導者として許されない。安全面に配慮しながら選手のレベルアップを目指している中で非常に残念だ」としている。

 複数の関係者によると、大会には同校から2年生7人と1年生10人が選手登録。大会前には1年生全員が「競技経験8カ月以上」と記載した出場資格証明書を連盟に提出していた。

 大会中に「資格のない選手が出場している」との情報が寄せられたことから、連盟が急きょ、同校の1年生らから聞き取り調査を実施。その結果、6人が8カ月未満と判明し、試合前だった3人が失格になった。残る3人は既に試合を終えており、このうち1人は「頭が痛い」と訴えて大会会場で医師の診察を受けた。異常はなかったという。

 一部の1年生は当初の聞き取りに「高校入学前からジムに通って練習していた」などと偽っていた。監督は連盟の調査に「ルール違反とは分かっていたが、経験を積ませたかった」と答え、資格証明書への虚偽記載や、生徒にうその説明を指示したことも認めたという。

 大会は学校ごとの団体成績でも競われ、各校の所属選手が個人戦で勝利するたびに加点される仕組みとなっているため、関係者は「自校の団体成績を稼ぐ目的で、未熟な選手も出場させたのではないか」とみる。

 同校は昨年11月に監督を処分、学級担任からも外しており「生徒や保護者を裏切る重大な問題だと認識している」としている。

 監督は約10年前から同校ボクシング部を率い、全国高校総体の団体成績で連覇に導くなどの実績を上げている。監督は西日本新聞の取材に「話すことはありません」と答えた。

■安全への配慮が必要

 福岡県ボクシング連盟の医事委員長を務める大田恭弘医師の話 ボクシングは頭部を殴り合うため、特に危険が伴うスポーツ。出場資格が与えられる8カ月の競技経験はガードの方法などの基本的な技術を学ぶため最低限必要な期間だ。私はリングドクターも務めているが、そのルールを守ってもらわなければ命に関わる事態が起きても責任を持てない。高校生は身体の発達段階にあり、より安全への配慮が求められる。

=2019/02/13付 西日本新聞朝刊=

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