中国へ「売られる花嫁」被害相次ぐ 北朝鮮やベトナム 背景に一人っ子政策 (2ページ目)

西日本新聞

 深夜、山間部で朝鮮族の中国人と待ち合わせし、雨が降る中、国境を流れる豆満江(中国名、図們江)を歩いて渡った。中国側に着くと「すぐに追いつくから先に行ってて」と言う友人を残し、トラックに乗り込んだ。到着したのは黒竜江省ハルビン郊外の集落。「おまえはここで結婚するんだ」。朝鮮族の男に告げられ、初めてだまされたと気付いた。泣きながら抗議したが「国境まで戻るのに7万元(約114万円)かかる。その金があるのか」「ここは中国だ。殺して埋めても誰も分からない」とすごまれた。

 その日の未明、トイレに行くふりをして逃亡を試みた。しかし、外に通じるドアを開けた途端、大きな音が鳴り、追ってきた男に連れ戻された。激しく殴られ「もう結婚するしかないと諦めた」。

 結婚相手は10歳以上年上の農家の中国人。片目を失明していた。一緒に暮らす男性の両親も朝鮮語は話せず、身ぶり手ぶりで意思疎通するしかなかった。常に監視され、1人で外出すると周辺住民から連絡を受けた夫が追いかけてきた。「集落全体が私を見張っている感じだった」

 夫からは「おまえを買うのに5万2千元払った」と告げられた。自由に遣える金はもちろん、当初は服も満足に与えられなかった。「せめて北朝鮮の家族に送金したい」と訴えても無視され、逆に逃亡を警戒して監視が厳しくなった。集落には同じようにだまされて中国人と結婚した北朝鮮の女性がいたが、自由に会うことは許されなかった。

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