中国へ「売られる花嫁」被害相次ぐ 北朝鮮やベトナム 背景に一人っ子政策 (3ページ目)

西日本新聞

 密入国した李さんは中国の身分証がなく、病院も受診できなかった。中国人の夫との間に生まれた女児も中国の戸籍がもらえなかった。「中国で暮らしていても私は存在しないのと同じ。将来を考えると不安でいっぱいになった」

 逃げ出すきっかけは夫の友人の結婚式だった。北朝鮮出身の女性と知り合い、通信アプリ「微信」で連絡を取り合おうと誘われた。夫に連絡用のスマートフォンが欲しいと頼んでも相手にされなかったが、子どもが生まれてもう逃げないと判断したのか、夫の母が買ってくれた。

 李さんは微信で北朝鮮出身者のグループチャットに登録。韓国への密入国を手配するブローカーと連絡を取り、脱出計画を練った。逃亡に必要な200万ウォン(約20万円)は韓国の脱北者支援団体が用意してくれた。

 昨年6月、こっそりためていた金でタクシーに乗り、遼寧省瀋陽市まで移動。ブローカーから受け取った偽の身分証で鉄道の切符を買い、約3千キロ離れた中国南部の雲南省昆明市を目指した。その後、現地のブローカーとともにトラックで国境を越え、ラオスとタイを経由して7月に韓国へたどり着いた。

 韓国政府の教育施設で過ごした後、昨年12月に独り暮らしを始めた。気掛かりなのは中国に残してきた3歳の娘だ。スマホの写真を眺めない日はない。「見ていると涙があふれてくる。迎えに行きたいけど中国に行けば捕まるかもしれない。どうしたらいいか分からない」と声を詰まらせる。「北朝鮮で食べていければ、ここまで逃げて来ることはなかった。金正恩(キムジョンウン)(朝鮮労働党委員長)のせいだ」と言葉を絞り出した。 

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