企業の「福利厚生」メルカリで売買 会員ID購入→施設割引券に 問われるモラル

西日本新聞

福岡県社会保険協会が会員企業向けに行う福利厚生事業の会員IDが、メルカリで売買されていた。本紙の指摘を受け、出品は削除された(写真の一部を加工しています) 拡大

福岡県社会保険協会が会員企業向けに行う福利厚生事業の会員IDが、メルカリで売買されていた。本紙の指摘を受け、出品は削除された(写真の一部を加工しています)

 個人間で品物を売買するフリーマーケットアプリ「メルカリ」で、会員企業への福利厚生事業を行う一般財団法人の会員IDが売買されていたことが分かった。IDがあれば契約施設の割引券を何枚でも購入でき、施設が損害を受ける可能性がある。フリマアプリを巡っては、手軽に利用できる半面、モラルが問われる出品が相次いでいる。

 売買されていたのは、福岡県社会保険協会が提供する福利厚生事業の会員ID。福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」の「30%off割引券」として300円で出品され、大人なら入館料2300円が1610円になると記載されていた。購入すると、出品者から5桁のIDを教えられ、コンビニの発券機で協会名を選択してIDを入力すれば3割引きの入館券が購入できる仕組みだった。

 協会によると、約2万3千事業所への福利厚生事業として今月、共通の会員IDを記したチラシを配布。IDがあれば3月末まで割引入館券が何枚でも購入でき、6月末まで水族館を利用できる。IDが会員外に広がれば水族館は不当に安い料金で利用される恐れがあり、出品者や購入者は法に触れる可能性もある。

 フリマアプリは手軽さや匿名性が受け、急速に利用者を増やしてきた。一方で「甲子園の土」や、人気デュオ「コブクロ」を特集した宮崎市の無料の広報誌が売買されるなど、出品者のモラルが問われる事態が続く。現金が出品された際は、マネーロンダリング(資金洗浄)に利用される危険性も指摘された。

 運営会社は、今回の出品は禁止出品物で削除対象に当たるとした上で、対策について「AI(人工知能)を活用した独自の監視システムと目視で不適切な商品を発見次第削除している。(監視対象は)状況を鑑み随時更新している」と回答。県社会保険協会は「会員のモラルを信じていたので残念。対策を講じる」と話した。

=2019/02/20付 西日本新聞朝刊=

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