新生児の難聴検査無料 福岡市、新年度から全額助成 早期発見、適切療育につなぐ

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 新生児千人当たり1、2人とされる先天性難聴を早期発見しようと、福岡市は4月から、生後間もない赤ちゃんの耳の聞こえ具合を調べる「新生児聴覚スクリーニング検査」費用を全額助成する。新年度一般会計当初予算案に、約6900万円を計上。検査の経済的負担をなくすことで、市は保護者に新生児全員の受診を促していく考えだ。検査で異常が見つかった場合は、医療機関と情報共有しながら適切な療育につなげていくとしている。

 新生児聴覚スクリーニング検査は、産科医院や診療所でおおむね生後3日以内の赤ちゃんに対し施されている。一般的に、耳に入れたイヤホンから小さい音を聞かせ、脳幹からの電気反応を調べる自動ABR(自動聴性脳幹反応)か、音に反応して内耳から返ってくる反響音を測定するOAE(耳音響放射)のどちらかの検査が行われている。

 市によると、検査は自由診療のため健康保険が適用されず、費用はより精度の高いABRが5千円、OAEが3千円程度とされる。2017年度に生後4カ月健診を受診した福岡市内の乳児約1万4千人のうち、この検査を受診していなかったのは約千人。「自費負担なら受けなくていい」として断る保護者が目立っていたという。

 今回、全額助成の対象になるのは4月1日以降に生まれた赤ちゃん。この検査の全額助成は、20政令市のうち既に広島市がABRに限り導入しているが、OAEも含め助成に踏み出すのは福岡市が初めてとなりそうだ。

 受診して仮に要精密検査の結果が出れば、産科施設は市立こども病院(東区)、九州大病院(同)、福岡大病院(城南区)のいずれかを紹介。市はこれらの医療機関と連携しながら、療育が必要と診断された赤ちゃんを市立心身障がい福祉センター(中央区)につなぐなどし、親子での通園や補聴器の調整を生後半年ごろまでに始められるようサポートする。

 市こども発達支援課の内藤達夫課長は「先天性難聴は、早期発見と療育により言葉の発達が促され、社会参加が容易になる。1人の子どもも見逃さないようにしたい」と話す。

=2019/02/21付 西日本新聞朝刊=

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