割り切れぬ停止違反 霧島市路面表示ない丁字路 住民「STOP表示を」 行政「道路標識で十分」

西日本新聞

 「スピード落とせ」「追突注意」-。道路の路面に安全運転や道路規制を文字やマークで示す「法定外表示」。この表示を巡り、鹿児島県姶良市の男性と、設置権限者の自治体とがトラブルになっている。同県霧島市内で一時停止違反で摘発された男性。規制を分かりやすくしようと「止まれ」の法定外表示を現場の交差点に求め、自己負担による設置も申し出たが市や警察に断られた。「標識だけでは分かりづらい。明確に『一時停止』を示せば、違反はなくせるのに」と疑問の声を上げている。

 鹿児島県姶良市の営島守さん(68)は昨年5月、霧島市内の丁字形の交差点で、一時停止線で止まらず、取り締まり中の霧島署員に違反切符を切られた。交差点は「止まれ」の標識があるが、路面に法定外表示はない。停止線を越えた場所には横断歩道がある。

 この交差点は、地元で有名な警察の取り締まり場所という。「月に複数回はパトカーがいる」と近くのタイヤ店店員。営島さんが行動を起こすのは「違反は反省する。でも、違反を少なくしたいならしっかり表示してほしい。しないのはわざと違反させて反則金を集めているとしか思えない。全国でもこういう場所が多いのではないか」と感じているからだ。

 法定外表示は道路管理者の自治体と警察が協議して設置し、費用負担するのが通常。営島さんは、違反直後から霧島市に「止まれ」の路面表示を要望。昨年9月からは、違反場所に立つ標識の横に「STOP」の看板を持つ人形を置き、一時停止を呼び掛けた。

 交差点の動画を同11月に撮影したところ、人形を置いていない時間より、置いていた時間の方が一時停止率は10%上がったという。「人形で効果があるのだから、路面表示はもっと効果的なはずだ」と営島さん。高齢者や外国人ドライバーへの対策としても有効だと主張。実際、北海道では「STOP」と表示する取り組みが始まっている。

 警察庁は2014年に、交通規制の実効性を高める目的での法定外表示設置を認め、文字も統一化する指針を通達。設置の際は住民や利用者の意見も勘案することも求めている。

 ただ、霧島市は今回の交差点には表示しない方針で「標識の視認性が良く、市民からの要望もない。優先順位もあり、もっと危険な場所に表示していきたい」と説明。鹿児島県警も「標識で効果は確保されている」としている。

 営島さんは「STOPと記して起きる悪いことは何もないはずだ。費用まで負担すると言っているのに納得できない」。今月4日、鹿児島地裁加治木支部に調停を申し立てた。

=2019/02/23付 西日本新聞朝刊=

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