輝く棚田景観に陰り 佐賀・玄海町 耕作放棄地が増加

西日本新聞

2017年の浜野浦の棚田。地元の関係者は2003年に比べ「耕作放棄地の増加で水田が減っている」と指摘する(佐賀県玄海町提供) 拡大

2017年の浜野浦の棚田。地元の関係者は2003年に比べ「耕作放棄地の増加で水田が減っている」と指摘する(佐賀県玄海町提供)

2003年の浜野浦の棚田(佐賀県玄海町提供)

 日本の棚田百選や「恋人の聖地」に選定されている佐賀県玄海町の「浜野浦の棚田」で耕作放棄地が増加、景観への影響が懸念されている。町は4月に、専従で保全活動に取り組む「地域おこし協力隊」を嘱託職員として配置し、放棄地の整備と景観回復を目指す。抜本的な解決策につながるか期待が集まる。

 町などによると、浜野浦の棚田は戦国-江戸時代から整備。海岸からの斜面に大小283枚の田んぼが幾重にも連なり総面積は11・5ヘクタールになる。水平線に沈む夕日が海面と水田をオレンジ色に染める景観が観光客や写真愛好家の人気を集めており、夕日と水田の組み合わせを楽しむのに時期的に最適なゴールデンウイークだけで2018年の来訪者は約1600人と、12年の倍以上となっている。

 一方で、農家の高齢化に伴う担い手不足などで、5、6年前ごろから耕作放棄地が目立つようになった。「全体の約2割に達している印象がある」(産業振興課)といい、景観の広がりが縮小し、魅力に影響が出かねない状況だという。

 棚田を観光資源と位置付ける町は、保全施策推進を町の責務とする「浜野浦の棚田条例」を17年12月に制定。18年6月には都市住民らが田植えや稲刈りなどに協力する交流事業導入を棚田の地権者たちに提案した。導入の結論は出ておらず、話し合いが続いているという。

 町は協力隊2人を採用予定で、うち1人は募集中。任期は1年(最長3年まで延長あり)。

=2019/02/23付 西日本新聞朝刊=

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