【街 みらい】地域再生の夢 “100年の店”交流拠点へ復活 駄菓子屋兼カフェ1日限定オープン 来春再開目指す

西日本新聞 北九州版

 明治、大正、昭和、平成の時代を戸畑区新川町で約100年にわたり営業し、9年前に閉店した老舗の駄菓子屋を地域交流の場にしようと、挑戦する女性がいる。現地に残る店を改装して来春、駄菓子屋兼カフェとして店を再開させようと計画。23日、試験的に1日限定のカフェをオープンさせた。かつての常連客をはじめ、地域から大勢の人たちが訪れ、にぎわいを見せた。

 女性は、同区の犬丸優子さん(57)。嫁ぎ先が経営していた「犬丸商店」を「いぬまる商店」として、再出発を目指している。

 犬丸さんによると、店は夫浩さん(56)の祖父で、和菓子職人だった清さんが明治の終わりごろに創業。義父の政美さんが昭和20年代に2代目として跡を継ぎ駄菓子屋になり、亡くなる3年前の2010(平成22)年に閉店した。

 「人と話すのが好きだから、子どもが集まる駄菓子屋は大好き。嫁いだときから、いつか店を継ぎたいと思っていた」

 犬丸さんは、店の再開への熱意をこう語る。ただ、地域を取り巻く環境は、結婚した30年前から大きく変化した。コンビニや量販店の進出、少子高齢化も進んだ。周りにあった他の古い商店も姿を消していく。「地域がにぎわっていた昭和の様子を義父から聞いていただけに、さびしさを感じる。子どもだけでなく、老若男女が集まり交流できる場所をつくりたい」。犬丸さんは力を込める。

 23日の1日限定のカフェでは、野菜をふんだんに使った弁当を提供。午前6時半の開店時から大勢が訪れた。犬丸さんは現在、調理師免許を取得するため勉強中で、この日は免許を持つ友人の手を借りた。訪れた近所の30代女性は「小学生のころ、友達とよく駄菓子屋に来ていた。来春の開店が待ち遠しい」と話した。

 新しい店には、フリーマーケットや絵本の読み聞かせなどができる多目的スペースも設ける。平成の時代が終わり、新たな時代に再出発する「いぬまる商店」。“3代目”となる犬丸さんは、店に地域再生の夢を託す。

=2019/02/24付 西日本新聞朝刊=

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