ペットの遺骨で真珠 五島・奈留島で事業 企業、養殖業者、研究者が協力 家族の一員、形見に

西日本新聞

ペットの遺骨で作った真珠「虹の守珠」。左は樹脂コーティングされたペットの遺骨 拡大

ペットの遺骨で作った真珠「虹の守珠」。左は樹脂コーティングされたペットの遺骨

事業所の開所式であいさつするウービィーの増田智江社長(中央)

 ペットを失った飼い主のために、遺骨で真珠を作る事業が五島市奈留島で始まった。化粧品や医薬部外品を開発、販売する「ウービィー」(東京)と地元の真珠養殖業者、大学の研究者が協力。飼い主がペットの遺骨をいつまでもそばに置ける「真珠葬」で、家族を失った心を癒やす。

 事業に協力するのは、奈留島の多賀真珠と長崎大海洋未来科学推進室長の松下吉樹教授(水産学)。両者は5年前に死んだ松下教授の愛犬の遺骨を使い、真珠作りに着手した。

 真珠は母貝の卵巣に核と呼ばれる真珠の素を入れ、養殖場で育てる。最初は遺骨をそのままアコヤガイに入れてみたが、アコヤガイが骨を砕くなど、なかなか真珠にならなかった。遺骨を樹脂でコーティングして球体に加工し、試行錯誤を繰り返した結果、光沢のある真珠が出来上がった。

 真珠は「虹の守珠(もりだま)」と命名。希望者から犬や猫などの8ミリ以下の遺骨を8個預かり、1年ほどかけて10・5ミリの真珠を養殖する。骨を識別するICチップを埋め込むこともできる。

 松下教授は「遺骨として見ていた物が形見に感じられるようになった。飼い主の悲しみを癒やす一つの手だてになれば」と語る。

 今年は3月から受け付けを始め、夏と秋に核入れをする。夏に核入れした真珠は来年3月ごろに完成する予定。真珠にならなかった遺骨は飼い主に返す。

 ウービィーは今月、奈留島に事業所を開設し、従業員1人を常駐させる。21日の開所式で増田智江社長は「ペットロスの悲しみをなくすことにつなげるだけでなく、島の活性化のために力を尽くしたい」と話した。

=2019/02/26付 西日本新聞朝刊=

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