【特派員オンライン】圧倒され続けた3年間

西日本新聞

 ソウル中心部にある在韓米軍基地に近い繁華街、梨泰院(イテウォン)で今月仕立てたスーツは腕を通した瞬間にぴったりと体になじんだ。3年前、初めて作った1着目は全体的に思ったより細身だった。2着目はズボンの裾が少し太くなった。1年に1着。テーラーの70歳の社長に好みを伝え続け、3着目でやっと理想のスーツができた。

 今月末でソウル支局を離任する。この3年間、ソウルで買った服を着て、チヂミをつまみにマッコリを飲み続けたせいか、時々韓国人に間違えられるようになった。ただ「似て非なる」が韓国だ。自己主張が強く、譲らない。喜怒哀楽を隠さず、先を考えずに突き進むような韓国人気質に驚かされ続けた。

 2016年秋、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾を訴える数十万人のデモに圧倒され、北朝鮮がミサイル発射を繰り返した17年には、動じない韓国人を横目に家族で避難訓練をした。慰安婦問題を巡る日本との合意を覆す韓国政府を非難したら、友人は「間違いと思えばただすのが正義だ」と反論した。刺激的なソウル生活が終わる。あのテーラーのように、今後も韓国とじっくり付き合おうと思う。 (ソウル・曽山茂志)

=2019/02/26付 西日本新聞朝刊=

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