お祭りムード、冷めた見方も 韓国独立運動100年、各地で集会やデモ

西日本新聞

 韓国では「三・一独立運動」から100年を迎えた1日、各地で集会やデモが行われた。独立運動に身を投じた人々をたたえる人、歴史問題で日本を非難する人…。1965年の国交正常化以降、最悪とも言われる日韓関係の中、民族意識が高揚する現場を歩いた。

 「大韓民国万歳!」「独立万歳!」。政府主催の記念式典が行われたソウル中心部の光化門広場では約1万人が集まり、目抜き通りを練り歩いた。沿道にはおでんの屋台が並ぶなど、お祭りムードも漂った。

 繁華街の明洞では、日本人観光客の姿も。大阪府から旅行に来た女子大学生(22)は、スピーカーから響く「マンセー(万歳)」の大音量に戸惑った様子。同行した友人は、母親から「デモに気を付けて」と電話があり、初めてこの日が特別な記念日であることを知ったという。とはいえ「韓国の人たちは皆、親切で楽しい。夕方まで買い物を楽しみます」と散策を続けた。

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 この日、韓国国内では市民団体や学校、地域などが大小さまざまな集会を催し、独立運動をたたえる。

 韓国第2の都市、釜山市の繁華街、西面では、大学生ら約50人がデモ行進。「日本は歴史問題を謝罪せよ!」「慰安婦合意を破棄せよ!」と声を張り上げた。少女像の設置や南北統一運動などに取り組む「釜山キョレハナ大学生」の黄石済(ファンソクチェ)代表(27)は「日本政府は慰安婦合意の履行ばかり求め、魂が見えない。レーダー照射問題も韓日関係を悪化させる挑発としか思えない」と語気を強めた。同市内の別の集会に参加した舞踏家姜珠美(カンジュミ)さん(45)は「植民地支配で韓国が受けた被害を清算すべきだ。次世代に歴史問題を残さないためにも、日本は謝罪しなければならない」と主張した。

 一方で、集会やデモに冷めた視線を向ける市民もいた。外食のため出かけたという釜山市の女性会社員(34)は「独立運動の記念行事も、歴史問題に関する日本批判も、政治家が自己の利益のためにやっていること」と切り捨てた。

 日本の外務省は2月28日、韓国への渡航者や滞在者に対しデモ会場に近づかないよう注意を促す「スポット情報」を出した。

 仕事で釜山市に滞在中だった俳優、柴田貴槻さん(27)は「自分の目で確かめたい」と集会を見に出かけた。地域住民が伝統音楽を奏でながら行進する様子に「もっと反日的で物々しい雰囲気かと思ったら違った。日本でやる記念行事と変わりませんね」とカメラを向けていた。

 警察関係者によると、デモなどによる日本人の被害は出ていないという。 (釜山・丹村智子、ソウル池田郷)

=2019/03/02付 西日本新聞朝刊=

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