ロープウエー正当性問う声 福岡市議会委「検討費」議論 市議から「誘導」「拙速」

西日本新聞

ロープウエーに関する予算案を審議した福岡市議会の条例予算特別委員会第4分科会 拡大

ロープウエーに関する予算案を審議した福岡市議会の条例予算特別委員会第4分科会

 福岡市議会は1日、条例予算特別委員会の第4分科会を開き、新年度当初予算案に盛り込まれた「JR博多駅と博多港エリアを結ぶロープウエーの実現性検討費」について議論が交わされた。議員側からは、予算案計上に至るプロセスが適正だったかなど、厳しい声が続いた。

 ロープウエー構想を巡っては市が昨年、学者や市幹部ら13人の有識者研究会をつくり、3回の会合を重ねて今年1月、八つの交通手段から「ロープウエーが望ましい」との意見をまとめた。市はこれを受ける形で、当初予算案にロープウエー検討費を計上することを議会に提案している。

 最初に、議会側は研究会の在り方に疑義を呈した。無所属の川口浩市議は、市が公表しているのは主な意見のみであり、発言者名と全てのやりとりの議事録が残っていないと指摘。「このような研究会が『ロープウエーを進める』と言うのはおかしくないか」と続けた。市民クラブの太田英二市議も、研究会の事務局を務めた市職員が議論の基となる資料を用意したことを含め、「初めから(結論を)誘導するために開かれたものだとしか見えない」と批判。

 これに対し、市住宅都市局の石橋正信局長は「今回は専門的な知見を集めたいということで、意見の部分を集めた議事概要を作った。それで十分足りていると思いスタートした」と答弁した。

 自民党市議団の森英鷹市議は、ロープウエーの議論の前に、市が2016年に都心部に導入した「BRT」(連節バスによるバス高速輸送システム)の費用対効果の検証が先にあるべきであり拙速ではないか、と市側にただした。

 市側は答弁で、BRTも含めた交通渋滞緩和策を講じたものの、それを上回る交通需要が今後見込まれるため、道路を立体的に活用する新交通システムの検討を決めたと説明。森市議は「そうであるならば、市は(交通需要が高まるとする)博多港エリアが将来どんな街になるのか、描く努力をしなければいけない」と求め、石橋局長は「青写真をきちんと市民に伝えられておらず、理解をいただけていないことは重く受け止める」と述べた。

 公明党市議団の尾花康広市議は、ロープウエーと他の交通手段を比較するため、特に台風や地震への耐性面について、詳しいデータを提供するよう市側に要望した。また、共産党市議団の星野美恵子市議は「市長が『(ロープウエーを)やる』と言ったので、やるための理屈を作ろうとしている印象だ」と主張した。

=2019/03/02付 西日本新聞朝刊=

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