【特派員オンライン】日本食人気と歴史問題

西日本新聞

 「男の酒場」「こはる」「東京へ行く」。釜山の街でこうした屋号を掲げる飲食店が増えている。店主の大半は、旅行や留学で和食や日本式のサービスに触れた韓国人で、こちらが日本人と知ると、日本食の魅力を熱く語りだすこともしばしばだ。

 そんな中、日本の飲食店50店を集めた韓国北西部で計画中の商業施設「ジャパン・タウン」が議論を呼んでいる。韓国大統領府のホームページに営業許可取り消しを求める意見が掲載され、1週間で6万人から賛同する声が集まったのだ。韓国では日本の支配に抵抗した1919年の独立運動から100年を迎え、当時の建物や名称を「積弊清算」と称して排除する声が高まっていることが背景にある。

 韓国人客でにぎわう和風居酒屋の店長に意見を求めると「歴史問題と今の韓日関係は分けて考えている」とさらり。すると、そばで日本の焼酎を飲んでいた中年男性が「日本には見習うところも多いが、徴用工問題はしっかり対応した方がいい」とくぎを刺した。和食ブームで日本に親近感を持っていても、ふとした時に出る一言に、歴史問題への鬱憤(うっぷん)は心の澱(おり)のように潜んでいると改めて感じた。 (釜山・丹村智子)

=2019/03/03付 西日本新聞朝刊=

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