自民前面の「県民党」-小川氏 「麻生色」払拭を模索-武内氏 知事選、対照的な動き 【福岡コンフィデンシャル】

西日本新聞

支援組織の設立大会で、大勢の支援者とともに気勢を上げる小川洋知事(前列左から3人目)=2日、福岡市中央区 拡大

支援組織の設立大会で、大勢の支援者とともに気勢を上げる小川洋知事(前列左から3人目)=2日、福岡市中央区

1人で街頭に立ち、演説する武内和久氏=2月22日、福岡市中央区

 「『組織対県民』の選挙になる」

 2日午後、福岡市中央区で開かれた福岡県知事小川洋を支持する「福岡県民の会」の設立大会。会長を務める県医師連盟委員長の松田峻一良は約2500人の参加者を前に「県民党」による支援を強調した。

 過去2回、支援を受けてきた自民党の推薦に漏れて以降、主要政党に出していた推薦願をすべて取り下げた小川。周囲には「首長選挙を政党が仕切る時代じゃない」と強気に語り、幅広い支援をアピールする。

 だが、元自民副総裁山崎拓の全面バックアップを受ける陣営がよりどころにするのは、やはり政党だ。

 会の中盤、4人の自民国会議員が壇上に並んだ。副総理兼財務相の麻生太郎と対立し、当初から小川支持を明言していた武田良太ら二階派の3人と、山崎から地盤を引き継いだ鬼木誠だ。党本部決定の重圧に旗幟(きし)を鮮明にしてこなかった鬼木だが、山崎から「次の衆院選ではもう支援しない」と決断を迫られ、連絡も絶たれていた。

 県民の会は超党派組織をうたうが、中心になるのは従来の自民支持組織。事実上の「自民アピール」に力を入れる。「まだ第2、第3も仕掛けている」。小川陣営関係者は、態度を表明していない自民国会議員の取り込みに自信をのぞかせる。

 陣営は「自公連携」にも余念がない。大会には公明党の支持母体、創価学会幹部も参加。元公明参院議員の弘友和夫は「勝利に向かって公明党も頑張ります」と壇上からエールを送った。

   ◇    ◇

 一方、自民推薦の新人で元厚生労働官僚の武内和久は、ひとり街頭でマイクを握る姿が目立つ。「少子高齢化、人口減少というピンチをチャンスに変えていきたい」。先月22日、福岡市中央区清川の交差点。武内の初の街頭演説には、一緒に並ぶ議員らの姿はなかった。

 昨年末に候補予定者に決まって2カ月余り。金看板の自民推薦を得て、8年前に小川を後継指名した前知事麻生渡を後援会長に迎えるなど態勢を整えてきたが、党の世論調査では支持が伸び悩む。陣営は、麻生太郎による推薦決定手続きが強引と受け止められていることなどが背景にあると見ており、「背後にいる人間が前に出ない方がいい」と戦略練り直しを検討。「麻生色」の払拭(ふっしょく)を模索する。

 2人の麻生も「イメージチェンジ」に必死だ。麻生太郎は2日にJR遠賀川駅近くであった県議の事務所開きで、小川との関係悪化が決定的となったのは2016年衆院福岡6区補選での出来事ではないと指摘。「こんな話はどうでもいいんだ」と強調した。

 麻生渡も予定していた街頭演説を行っていない。先月末には、自身の知事時代の後援者らに手紙を送付。2期にわたる小川県政を「失われた8年」と表現し、追記として「この選挙は麻生太郎先生の怨念と云う向きが一時ありました。これは明らかに正しくありません」と書き込んだ。

 1日に選挙公約となる政策を発表した武内陣営は、政策論争に活路を見いだそうとしている。小川陣営に公開討論会を持ちかけるなどして、候補者同士の戦いに持ち込みたい考えだ。

 大御所たちの覇権争いの側面が目立つ知事選。武内は「知事選は代理戦争ではない」と強調する一方、周囲に「自分はもう(自民色が)十分出ているから」とこぼしている。 (敬称略)

=2019/03/03付 西日本新聞朝刊=

PR

アクセスランキング

PR

注目のテーマ