【小児がん 母と娘の闘病日記】(6)母から 悩んだ末に、絵本で病名を告知

西日本新聞 医療面

 私たち家族と小児がんとの本格的な闘病が始まった入院初日から、夫の提案で日記を書くことにしました。付き添い交代時の引き継ぎを兼ねていました。芙優(ふゆ)の様子や体調の変化、主治医や看護師の言葉、必需品を買う場所など、できるだけ細かく記しました。

 「白血病」と診断された芙優の最初の治療は、ステロイド剤でがん細胞を減らすというもの。早速、頭痛が始まり嘔吐(おうと)、数日後には「目が見えにくい。つらい」と泣きだしました。タクシーで近くの眼科へ。診断は「ステロイド緑内障」で失明の危機でした。子どもには珍しい副作用だったようです。たくさんの点眼薬と飲み薬で「白血病の治療は続けていけるだろう」と言われて安心。入院している病院へ戻ると、少しずつ元気を取り戻しました。

 ようやく落ち着いたあなたは周りを見渡し、多くの荷物に気が付いたのでしょう。「いつまで入院なの?」と不安げに聞きました。病名を言えば、テレビなどで見て知っているだろう。どうしよう。「絵本を使って説明しましょう」という主治医の提案で病名を告げました。芙優は「死ぬの?」と一言。主治医に「大丈夫、治るよ」と言われると納得したように見えました。分かってくれたのかな。

 子どもの場合、病名は全員に伝えるわけではありません。年齢などいろいろな事情で知らせない選択もあります。芙優の場合、主治医から「つらい治療になります。治すために必要です」という勧めもあったため、告知することを決めました。

 告知は本人に与えるショックが大きく、とても難しいことです。正解はありません。その中で私たち家族は長く苦しい治療を乗り越えるためにも、白血病と理解した上で立ち向かわせる方法を選択したのです。

(山本章子=がんの子どもを守る会九州北支部代表幹事)

=2019/02/25付 西日本新聞朝刊=

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