【きょうのテーマ】「キュリオス」舞台裏を取材 観客笑わせるやりがい

西日本新聞

 ●「シルク・ドゥ・ソレイユ」創設30周年記念作品 小道具の細部にこだわり

 世界的エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の創設30周年記念作品「ダイハツ キュリオス」が3月31日まで、福岡市東区の筥崎宮外苑特設会場「福岡ビッグトップ」で上演されています。人間離れしたアクロバットや柔軟技、笑いも誘う豪華なショー。世界から集まったアーティスト(出演者)や裏で支えるスタッフをこども記者3人が取材しました。

【きょうのテーマ】「キュリオス」舞台裏を取材

 舞台裏には小道具や衣装がところ狭しと置かれていた。ショーは19世紀ごろのヨーロッパの産業革命期にも、近未来にも思える不思議な世界の中で進んでいく。そんな世界を演出する小道具は426個。かばんや椅子、本などのほか、舞台の両側にある巨大な「キャビネット」(棚)には不思議な形の飾りがたくさん並んでいた。

 小道具はゼロから手作りした物、古いミシンやピアノの部品を組み合わせた物もあった。古い物は修理し、新品はわざと壊して古く見せることもある。公演で訪れる世界各地の骨董品市場で仕入れ、追加することもあるそうだ。小道具チーフのジョー・エバンスさんは「ほとんどの人が気づかない小さな工夫がたくさんあるんです」と、いたずらっ子のように笑った。

 ★ ★ ★

 「エレガントに王子様のように歩こう」「ミヤァーオと言ってみて」。甲斐翔空記者は、パントマイムや動物のまねをして笑わせる演目「コミック・アクト」に登場するファクンド・ヒミネズさんから猫や恐竜の動きを習った。「お客さんを笑わせる仕事はすごくやりがいがある」とヒミネズさん。

 ガブリエル・ボードウェンさんからジャグリングも教えてもらった。「難しい技も練習を重ねて挑戦することが大切」という。ナイフや電動のこぎり、火のついた棒のジャグリングもできるという。

 ★ ★ ★

 アーティストの表情を際立たせる舞台メークも体験した。キュリオスのメークの特徴は仮面を着けたように見えること。デザイナーが考えた手順通りに、アーティスト自身が毎回自分で顔に色を塗り、筆で線を描いていると知り驚いた。

 川原優亜記者は「ボヤージャー」(旅人)に変身。長嶺実咲記者は「コントーション」という演目で柔軟技を見せて観客を驚かせる「デンキウナギ」の顔になった。メーク時間は約45分。鮮やかな色が顔に塗られていくにつれて、自分が自分ではなくなっていく気がした。

 ●クララ役の池田一葉さん 挑戦続け夢のショーに

 キュリオスの福岡公演には18カ国、56人のアーティストが出演している。ただ一人の日本人でクララ役を演じる池田一葉さん(37)=写真=に話を聞いた。

 クララは、5本の輪がスカートのようになった衣装を揺らしながら動く。半分機械、半分人間の女性という不思議な役だ。池田さんは「物語が進むごとに少しずつ人間に近づくので、自分なりに表現するのがすごく楽しい」という。お気に入りの場面を聞くと「最後にアーティストたちの大技が決まり、見ていたクララが大喜びする場面。かなり人間に近いクララです」。

 高校生でヒップホップダンスをはじめ、大学の途中でアメリカに留学。ダンサーとして活躍していた。2005年にシルクのショーを見て以来、「衣装、メーク、技、すべてを極めているこういうショーに出たい」とオーディションを何度も受け、17年8月にクララ役を勝ち取った。「あきらめが悪いのもたまには悪くないのかな」と笑っていたけれど、チャレンジし続ける気持ちの強さを感じた。

 この1年以上、毎日のようにクララとしてステージに立ってきた池田さん。「毎回緊張するし、まだまだ上手になれるところがたくさんある。ストーリーも奥深く、ちょっとずつ発見を続けている」と話していた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼「ダイハツ キュリオス」福岡公演 3月31日まで。タイトルの「キュリオス」とは「好奇心」「骨董品」の意味を持つ。主人公シーカーが風変わりなキャラクターたちと繰り広げる大冒険を描いている。西日本新聞社など主催。テレビ西日本開局60周年記念。平日のSS席が一般1万2500円、A席6500円など。福岡公演チケットセンター=092(718)3939。

【きょうのテーマ】「キュリオス」舞台裏を取材

=2019/03/05付 西日本新聞朝刊=

PR

こどもタイムズ アクセスランキング

PR

注目のテーマ