「猫と生き残る」防災本人気 避難所でペット巡るトラブルも 被災者の体験生かし指南

西日本新聞

災害時の対応策などを解説した「決定版猫と一緒に生き残る防災BOOK」 拡大

災害時の対応策などを解説した「決定版猫と一緒に生き残る防災BOOK」

 災害時にペットの命をどう守るか。東日本大震災や熊本地震の被災者の声をもとに、猫と飼い主のための防災情報をまとめた本が愛猫家に人気だ。ペットの防災は東日本大震災以降に注目され、国は「飼い主との同行避難が原則」と示したが、自治体や避難所によって受け入れに差があり、トラブルも起きている。編集者は「九州は近年、地震や水害が多く発生している。リスクに備えてほしい」と呼び掛けている。

 「決定版 猫と一緒に生き残る防災BOOK」(日東書院)は昨年12月に発売された。猫の情報誌「猫びより」の編集部が、飼い主の目線から必要な情報を集めようと熊本地震などの被災者らに取材し、獣医師が監修。防災関連で猫に特化した書籍は珍しく、4回の重版は「異例のペース」(編集部)という。

 東日本大震災では保護された犬猫のうち、名前・連絡先を書いた「迷子札」や「狂犬病予防注射済票」を付けた犬は全て飼い主が見つかったが、猫は手掛かりがなく1匹も飼い主が判明しなかった-という実例を踏まえ、1章では備えとして身元表示の重要性を強調。災害時に持ち出す物の準備や猫の健康管理、しつけの大切さを説明している。

 災害時の対応をまとめた2章では、飼い主が在宅か外出中か、といった被災状況に応じた猫の避難方法を記し、けがをした猫の応急処置も解説。3章は避難生活を取り上げ、避難所で猫を受け入れてもらう場合の注意点などを整理した。

 被災後に飼い主がペットとはぐれる例が目立ったことから環境省は2013年6月、災害時のペットの救護対策指針を策定し、同行避難の原則を明記。熊本地震後の昨年2月の改訂では「エサや水の備蓄、しつけは飼い主が負う」などと追加され、飼い主の責任に注目が集まっている。同編集部の本田真穂さんは「愛猫家にとって猫は家族同然。愛する猫を守るため、正しい知識と備えを万全にしてほしい」と話している。A5判112ページ、税込み1404円。

=2019/03/07付 西日本新聞朝刊=