指示・勧告後も8割避難せず 西日本豪雨、県が調査 発令の4割は日没後

西日本新聞

 昨年7月の西日本豪雨の避難行動について、県が11日公表した自治体や住民向けアンケート結果で、避難指示や避難勧告が出た後も自宅にとどまった住民が8割以上を占めたことが分かった。避難指示・勧告などを出した35市町村の約4割が日没後で、危機意識や判断の迅速さに課題が残った。

 調査は、大雨に見舞われた昨年7月7日、午前7時時点で約53万人に避難勧告などが出たにもかかわらず、2時間後の指定避難所への避難者数が約400人にとどまったことから、避難の実態を把握するために県が実施した。

 住民への調査は昨年11、12月実施。避難勧告などを出して「避難者ゼロ」と県に報告した大津、菊陽、益城3町と、避難指示を出した相良、球磨両村の計2377世帯が対象で、半数の1194世帯から回答を得た。

 住民アンケートでは、819世帯が「避難しなくても大丈夫だと思った」と回答。理由を複数回答で尋ねたところ、32・1%(263世帯)は「これまで同様の状況で何も起こらなかった」ことを挙げた。

 「避難しようとしたができなかった」と答えたのは53世帯。最も多い理由は「雨風がひどくなっていた、または暗くて危険だった」(27世帯)だった。「高齢者など支援が必要な人がいて人手や移動手段がなかった」も10世帯いた。

 また、自治体は防災無線や緊急速報メール、消防団の巡回などの手段で避難を呼び掛けたが、住民の8%(95世帯)は「避難情報を知らなかった」と答えた。 昨年9、10月に実施した県内45市町村へのアンケートでは、5市町が発令基準に達するまで待った結果、深夜となったことなどから見送ったと答えたという。県危機管理防災課は「手遅れにならないように早いタイミングでの発令が必要だ」として、予防的に避難指示・勧告を出すよう改めて求めるという。

=2019/03/12付 西日本新聞朝刊=