ロープウエー異論強く 福岡市議会特別委 「議論不十分、一方的に手続き」 「可能性探り判断材料を」の声も

西日本新聞

自民党市議団の提案した修正案について起立で採決した福岡市議会の条例予算特別委員会総会 拡大

自民党市議団の提案した修正案について起立で採決した福岡市議会の条例予算特別委員会総会

 JR博多駅と博多港を結ぶロープウエーの実現可能性検討費について、福岡市議会条例予算特別委員会は12日の総会で、2019年度当初予算案から削除する自民党市議団の修正案を「賛成39、反対20」の大差で可決。高島宗一郎市長のロープウエー構想に対し、議会サイドとして強い異論を示す形となった。

 「市民の代弁者である議会との議論も十分にされず、行政が一方的に(ロープウエー検討の)手続きを進める状況に多くの市民も違和感を覚えている」。自民の阿部真之助市議は修正案の提案理由説明で、こう強調した。

 最大会派の自民は、市が再整備計画を進める博多港エリアで今後、交通需要が高まり新しい対策が必要になることには理解を示す。だが、高島市長が昨年11月の市長選でロープウエー導入を公約に掲げ、今年1月に市の有識者研究会が「ロープウエーが望ましい」と提言し、2月に検討費が予算案に計上された一連のプロセスを「性急であり、議会軽視」(阿部氏)と問題視した。

 立憲民主党、国民民主党、社民党系の市民クラブは、ロープウエー検討費を生活交通対策の調査費に組み替えるよう求める動議を提案。近藤里美市議は「有識者研究会の議論は結論ありき」と理由を話し、ロープウエーは「現在与えられている情報で判断すると、必要ない」と主張した。

 共産党市議団は検討費削除と福祉の充実をセットにした別の組み替え動議を提案した。倉元達朗市議は「無駄な大型公共事業」として、ロープウエー反対のスタンスを明確にした。市民クラブ、共産の組み替え動議2件は、いずれも賛成少数で否決され、両会派は自民の修正案賛成に回った。

 福岡維新の会も「市の検討は拙速」(富永周行代表)として自民案に賛成した。緑と市民ネットワークの会は、動議2件と修正案の全てに賛成。荒木龍昇代表は「市民生活への投資を優先すべきだ」と述べた。

 一方、与党系の3会派は自民の修正案に反対した。

 第2会派の公明党市議団の黒子秀勇樹団長は、取材に対し「有権者から多く届いているのは、『(ロープウエー構想をどう判断すればいいのか)分からない』という声」と説明。その上で「今回の検討費は、市が市民に判断材料を提供したいとの趣旨であり、材料が多い方が市民も考えを決めやすい」として、ロープウエー検討費を認めてよいと答えた。

 また、みらい・無所属の会の国分徳彦会長は「ロープウエーの工事を始めるための予算ではなく、可能性を探る検討はやってみても構わない」、高島市長と最も距離が近い自民党新福岡の飯盛利康会長も「検討材料がなければ、議会としても判断できない」とそれぞれ取材に答え、検討費を受け入れる姿勢を示した。

=2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

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