吉野ケ里で弥生後期のすずり 有明海沿岸で初 佐賀県教委発表

西日本新聞

吉野ケ里遺跡で出土したすずり(右)と研石 拡大

吉野ケ里遺跡で出土したすずり(右)と研石

 佐賀県教育委員会は13日、国特別史跡の吉野ケ里遺跡(同県神埼市、吉野ケ里町)で出土した石製品が弥生時代後期のすずりとみられると発表した。すずりは北部九州を中心に相次いで確認されているが、有明海沿岸では初めて。県教委は「吉野ケ里では中国大陸や朝鮮半島の遺物が出土しており、すずりは有明海を通じた対外交流を裏付ける史料の一つ」としている。

 すずりは、弥生後期の竪穴住居跡から1993年に出土した。長さ7・8センチ、幅5・2センチ、厚さ1・0センチ。長方形の板状に整形され、全ての側面が磨かれているため、完成品とみられる。表面にこすったような跡が残る。ただ、墨が付着した痕跡は確認されていない。

 鑑定した国学院大の柳田康雄客員教授は「中国のすずりと似た長方形の完成品としては国内で最古ではないか」としている。

 また、95年に遺跡内の溝跡で出土した石製品は、墨をすりつぶすときに使う研石(長さ3・8センチ、幅3・5センチ、厚さ0・5センチ)とみられるという。すずりと研石が佐賀県内で見つかったのは中原遺跡(同県唐津市)に次いで2例目。

 県教委はこれまで、石製品2点について「用途不明」としてきたが、玄界灘沿岸などですずりが発見されたことから、形状などを再確認した。

 県教委は14日から4月上旬まで、吉野ケ里歴史公園で展示会を開く。

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=