宿泊税、知事選の争点に浮上 小川氏-県全体への配慮強調 武内氏-福岡市長の支援狙い

西日本新聞

 21日告示の福岡県知事選(4月7日投開票)の争点に、県と福岡市で対立する宿泊税の導入問題が浮上している。現職の小川洋氏は県税での徴収を主張。これに対し、自民党推薦の新人武内和久氏は「基礎自治体が取るべきだ」と市税での徴収を訴える。武内氏が市と同調する姿勢を示す背景には、高島宗一郎市長の支援を取り付けたい狙いも透ける。20日の候補予定者による初の公開討論会でも論点の一つになりそうだ。

 「対立する県と市、協力する県と市のどちらを選ぶかだ」。15日、JR博多駅前で演説した武内氏は宿泊税問題に触れ、自分なら解決できるとアピール。17日には武内氏陣営の選対本部長を務める自民の大家敏志参院議員も、福岡市内で「市税で取る。二重課税はしない」と強調した。

 一方、小川氏は記者会見などで「県が取り組むべきだ」と繰り返し、公約にも県税とすることを盛り込んだ。小川氏を推薦する県町村会長の永原譲二・大任町長は「県全体に目配りする姿勢は、都市部以外の有権者の共感を得られる」と評価する。

 宿泊税は県が先に導入検討を始めたが、市は昨秋、市内の宿泊者は1人1泊200円(2万円未満)などの課税案をまとめた。後れを取った県もすぐに県内一律200円としつつ市が独自課税する場合は市内を100円にとどめる案を作った。その後、小川氏と高島氏のトップ会談を経て実務者協議が始まったが、調整が難航している。

 県内全体の統括者である「知事」を決める選挙に出馬予定の武内氏が「市税で」と明言する背景について、陣営関係者は「悪化した県と市の関係改善を争点化し、選挙に強い高島氏の支援を得たい狙い」があると明かす。高島氏は応援候補を公言していないが、高島氏に近い県議は「両者の主張を見比べれば一目瞭然だ」と秋波を送る。

 ただ、武内氏陣営の自民県議の多くは「県税が望ましい」との立場。問題解決に向け、議会で小川氏に「職を賭す覚悟」を迫った事情もあり、宿泊税に関して武内氏を後押ししにくい側面もある。

 小川氏周辺はこれらの状況を踏まえ、「選挙ではこちらから積極的には触れることはないだろう。協議が進まない状況や、高島氏との不仲に焦点が当たるのは避けたい」と打ち明ける。

 20日に北九州市である公開討論会には両氏のほか、共産党県委員会副委員長の新人篠田清氏も参加予定。篠田氏は「宿泊税は検討をいったん凍結」と訴えている。

=2019/03/19付 西日本新聞朝刊=

PR

アクセスランキング

PR

注目のテーマ