【街 みらい】県政点検 北九州空港への支援継続なるか 3候補者の論戦に注目

西日本新聞 北九州版

2018年の旅客数が過去最高に達した北九州空港(本社ヘリから) 拡大

2018年の旅客数が過去最高に達した北九州空港(本社ヘリから)

 「北九州市の底力はものすごいんです」。知事選に立候補した元厚生労働官僚の新人武内和久氏(47)=自民推薦=は21日、小倉北区の出陣式で、24時間使える海上空港「北九州空港」をこう持ち上げた。「滑走路を3千メートルに延伸するよう国と交渉し、1年以内に道筋を付ける。空港とJR小倉駅のアクセス鉄道、クルーズ船用の岸壁を整備すればもっと有効活用できる」。中長期的な未来像まで踏み込んだ。

 北橋健治市長が1月の市長選で「乗客数が年間200万人達成を視野に、軌道系アクセスの実現可能性を改めて調査する」との公約を掲げたことが念頭にありそうだ。ただ、北橋市長もクルーズ船の岸壁整備までは打ち出しておらず、武内氏の前のめりの訴えは際立つ。

 「この間、国際定期便が新たに6路線増えた」。現職で3選を目指す小川洋氏(69)は同区の出陣式で、こう成果を強調した。

 県は2016~18年度の3年間を「北九州空港将来ビジョン推進強化期間」と位置付け、総額約6億円の予算を投入してきた。

 国内の地方空港間で、路線の誘致合戦は激しい。予算を使い、航空会社の運航費用などを一部負担して路線定着を図る「インセンティブ」を導入。18年の旅客数も過去最高の約175万人に達し、小川氏には、市との連携で着実に成果が出てきた“自信”がにじむ。公約でも、引き続き路線拡大を目指すと盛り込んだ。

 立候補した共産党県委員会副委員長の新人篠田清氏(70)=共産推薦=は「中小企業の製品輸送を応援するため、滑走路の延伸には賛成だ。福岡空港だけでなく、北九州空港の利用客を増やす政策は必要。24時間空港の強みを生かしていきたい」と訴えている。

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 北九州空港は洋上風力発電やロボット産業の育成と並び、北九州市が経済成長を実現する柱と位置付ける。今後の県政に期待する点は大きく二つある。

 一つは、推進強化期間の延長だ。路線の継続、拡大に向けた財政支援は市にとって大きい。

 もう一つは、4月から完全民営化する福岡空港との“仲介”機能。運営会社「福岡国際空港」の株式の10%を、県が取得する契約を結んだ。過密化が慢性化している福岡空港に替わり、今後の新規路線の需要を振り向けるなど、県のかじ取りは今後の北九州空港の行方を左右する。

 北橋市長は「北九州空港の活用が、県政全体にとっても重要だと候補者から思っていただいていることは、大変心強い」と知事選の論戦に期待している。

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 知事選が21日、告示された。政令市の北九州市はほかの自治体と比べ、単独で事業を担うことが多いが、県との連携で展開する分野もある。北九州市の視点から県政を点検する。

=2019/03/22付 西日本新聞朝刊=