福岡自民真っ二つ 出陣式の顔触れ一変 統一地方選スタート

西日本新聞

福岡県知事選での支援を呼び掛ける篠田清氏陣営(届け出順)=福岡市 福岡県知事選での支援を呼び掛ける武内和久氏陣営(届け出順)=福岡市 福岡県知事選での支援を呼び掛ける小川洋氏陣営(届け出順)=福岡市

 福岡、大分を含む11道府県知事選が21日告示され、統一地方選がスタートした。福岡は、自民党国会議員の支援が3選を目指す現職と党推薦の新人に真っ二つに割れる分裂選挙に突入。共産党系候補も交えた三つどもえの構図だ。大分は、与野党が事実上「相乗り」する現職に共産と無所属の新人2人が挑む。候補者らは17日間の論戦で有権者の心をつかもうと、各地でマイクを握った。

 小雨の降る午前9時すぎ、福岡市中央区。福岡県知事選に立候補した自民推薦の新人、武内和久氏の出陣式で、麻生太郎副総理兼財務相は身ぶりを交えながら会場に語りかけた。「停滞したままでいいのか。それとも福岡市と一緒に伸びる福岡県をつくるのか」

 麻生氏が主導した武内氏の推薦決定過程への不満から、自民県連は真っ二つに割れた。武内氏の出陣式に並んだのは、麻生氏のほか、麻生派の大家敏志参院議員、原田義昭環境相、井上貴博衆院議員、今夏に改選を迎える松山政司参院議員の4人。北九州市での出陣式には三原朝彦、山本幸三両衆院議員が出席したが、合わせても県選出の自民衆参両院議員の半数程度にとどまった。笑顔を見せる麻生氏と対照的に、県連幹部や県議らの表情は硬いままだった。

 自民の有力な支援団体も二分され、出陣式には県医師連盟や県農政連の姿はなかった。この日一番大きな歓声が上がったのは、麻生氏の秘蔵っ子、高島宗一郎福岡市長が登場したときだ。「長年の懸案を解決するという気概が小川知事にあったのか、疑問だ」と話すと、会場に拍手が響いた。

 「未来への成長か、現状維持か」。拳を突き上げる武内氏。麻生氏は「十分な時間がある。間違いなく結果が出せると確信している」と強気の言葉で支持者らを鼓舞した。

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 「自民に反旗を翻したつもりはない。おかしいことはおかしいと言える自民党でなければいけない」

 武内氏の出陣式会場から約2キロ。福岡市・天神の神社であった現職小川洋氏の出陣式で、自民の鬼木誠衆院議員は声を張り上げた。

 ともに壇上に立った武田良太、宮内秀樹、鳩山二郎の二階派3衆院議員や、古賀篤衆院議員らがその姿に拍手を送る。久留米地区の出陣式には藤丸敏衆院議員も参加した。「造反組」に共通するのは、麻生氏と距離があるという点だ。

 出陣式のあいさつで永原譲二県町村会長は「一部の権力者の言うことを聞かないから知事を代える。こんなことが福岡県で起きていいのか」と麻生氏への反発をむき出しにした。

 ただ、出陣式に県政与党として連携してきた自民県議団は誰もいなかった。250超の団体から推薦も取り付けたが、会場に掲げられた業界団体ののぼり旗はわずか数本。「今までとは全く形が違う。私にとって正念場の選挙だ」。小川氏は自民の「看板」を失った選挙戦への戸惑いを口にする。

 共産推薦の新人篠田清氏は天神での第一声で、こうした状況を「県民不在の自民の中での権力争いだ」と批判。篠田氏の応援に駆け付けた共産の小池晃書記局長も「自民のAチーム、Bチームの争いだ」と切り捨てた。

=2019/03/22付 西日本新聞朝刊=