日本の政治の中心が一時期ここにあったのだと、感慨を深くした

西日本新聞

 日本の政治の中心が一時期ここにあったのだと、感慨を深くした。佐賀県唐津市鎮西町の名護屋城跡。豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として築き、周囲に130を超える諸大名の陣跡があった。全国から20万人以上が集まったという。

 だが、城跡見学の帰りに立ち寄った飲食店で、店主のおばちゃんに話し掛けると、浮かない表情だった。「来た人は『すごいところですね』と言ってくれますが、あまり知られていないんですよ」

 私が訪れたのは休日だったが、確かに城跡は人影もまばらで、陣跡は歩いている人に出会わなかった。往時をしのばせる石垣は残るが、天守閣など建物の遺構はなく、多くの観光客を呼び込むには一工夫が必要なようにも感じた。

 佐賀県の山口祥義知事は昨年の知事選で、城跡や陣跡を観光などに活用する「城プロジェクト」を推進する考えを示した。貴重な歴史遺産をどう全国に発信するのか。注視していきたい。 (野村創)

=2019/03/23付 西日本新聞朝刊=

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