熊本・高3自殺いじめ認定 授業中暴言など5件 第三者委最終報告

西日本新聞

 熊本県北部の県立高3年の女子生徒=当時(17)=が昨年5月、いじめをほのめかす遺書を書いて自殺した問題で、県教育委員会の第三者委員会「いじめ防止対策審議会」(会長・岩永靖九州ルーテル学院大准教授)は26日、調査報告書を宮尾千加子県教育長に提出した。女子生徒に対するクラスメートの発言など5件をいじめと認定し、自死の要因になったと判断した。

 女子生徒の両親はこの日、「知華(ともか)」さんという名前や顔写真を初めて公表。父親(43)は「娘が生きていたという思いを伝えたくて出した。(報告書で)知華が傷ついたことがよく分かった。名誉が回復されたと感じている」と話した。

 報告書によると、昨年5月16日、2年男子が友人らと撮影し、写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿した動画に知華さんが写り込んでいたことがいじめの引き金になった。17日に動画を見た知華さんのクラスメート5人が2限目の授業中に「死ねばいい」「彼氏がいるなら彼氏を大事にせなんやん」などと発言。知華さんは3限後に早退して自宅で自殺を図り、翌18日に亡くなった。

 第三者委は、授業中の発言や、2限後にクラスメートが動画を投稿した2年男子の所に知華さんを連れて行き、偶然写り込んだのか確認した行為など5件を「いじめ」と認定。授業中の発言の一部は遺書に記載されており「自死に至った要因と認められる」とした。

 宮尾教育長は「二度とこのような悲しい事案が起こらないよう、学校とともに取り組みたい」と述べた。

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第三者委調査報告書要旨

■昨年5月16日放課後に2年の男子生徒らを写した動画に女子生徒が写り込む。翌17日始業前に写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿された動画をクラスメートが確認
■クラスメートが(当時女子生徒と交際していたとされる)同じクラスの男子生徒に動画を見せ「これどう思う」と言うなどしたやりとり▽授業中にこの2人を含む5人が「死ねばいい」「彼氏いるなら彼氏を大事にせなんやん」などと発言したこと▽男子生徒が動画を投稿した2年男子の所に女子生徒を連れて行き、偶然写り込んだのかを確認したこと-など5件を「いじめ」と認定
■「死ねばいい」などの発言の一部は遺書にも記載されており「自死に至った要因と認められる」。女子生徒は心理的視野狭窄(きょうさく)を起こし、自死につながった
■学校は以前から「死ねばいい」など粗暴な言葉が平然と飛び交う言語環境にあった。スマートフォンの使用などについて規範がなし崩し的に揺らいでいたことも自死の遠因

=2019/03/27付 西日本新聞朝刊=