子ども医療費の補助率で攻防 現職、見直しに慎重姿勢 新人、政令市引き上げを

西日本新聞

 政令市は他の市町村と同様の補助を県から受けるべきか-。4月7日投開票の福岡県知事選では、子ども医療費を助成する市町村への県の補助率が争点の一つになっている。現在の補助率は、福岡、北九州の両政令市が4分の1、その他の市町村が2分の1。現職の小川洋氏が見直しに慎重なのに対し、新人の武内和久氏=自民推薦=は格差是正を打ち出し、それを後押しする両政令市長も巻き込んだ論争に発展している。

 「子どもたちの施策は平等にするべきだ」。福岡市の高島宗一郎市長は21日、同市内であった武内氏の出陣式でこう強調し、武内氏の支持を表明。武内氏が「自治体間格差があってはいけない」と主張し、政令市への補助率引き上げを訴えていることなどを支持の理由に挙げた。

 高島氏は「県の補助が少ない分を市財源で補っている」と指摘し、格差を是正すれば助成対象を拡大できると訴える。北九州市の北橋健治市長も、20日の記者会見で「政令市だから財政力があるわけではない。人口が多いと支出も多い」と述べ、武内氏の姿勢を評価した。

 一方、小川氏は「県内すべての市町村で一定の医療水準、医療費の助成を確保するのが県の役割だ」と説明。数値が大きいほど財源に余裕があることを示す財政力指数が福岡市0・89、北九州市0・73なのに比べ一般市町村は平均0・52だとして補助率に差があることに理解を求めている。

 子ども医療費の助成を巡っては、政令市がある15道府県のうち、7道府県は政令市と一般市町村の補助率が同じ。残り8県のうち4県は政令市が低く、4県は政令市への補助がない。また、5県は政令市昇格に伴い補助をやめたり、補助率を下げたりしている。

 小川氏は23日、同県嘉麻市で記者団に対し、こうした現状を踏まえ「最近の傾向は補助しない方向になっている。自分のところだけを考えてはいけない」と述べた。

 子ども医療費の助成は、県と市町村が負担。県は現在、小学6年以下が通院、入院する場合に助成しており、予算は約51億6千万円に上る。両政令市への補助率を一般市町村と同等に引き上げるには16億円が必要とされる。

 両政令市が補助率引き上げを求める背景には、県内60自治体のうち27市町村が中学3年以下(2町は18歳まで)の入院、通院まで助成対象を独自に拡大していることがある。両政令市は現在、中学3年以下の入院に限り助成しているが、小学6年以下の県の補助率を引き上げることで予算枠を広げ、中学3年以下の補助を他の市町村と同様、通院にまで拡大したい考えだ。

 新人の篠田清氏=共産推薦=は「中学3年までの医療費完全無料化」を公約に掲げている。

=2019/03/27付 西日本新聞朝刊=

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