県議選、62人が立候補へ 29日告示

西日本新聞

 統一地方選第1ラウンドの県議選が29日告示される。16選挙区(定数46)に、過去最少だった前回よりも2人多い62人が立候補を予定、4月7日の投開票日に向け論戦が始まる。

 62人の内訳は現職38人、元職3人、新人21人。政党別では自民党35人、立憲民主党2人、国民民主党5人、公明党3人、共産党3人、社民党2人、無所属12人。女性は過去最多の8人が出馬に意欲を示す。

 立候補の届け出は午前8時半~午後5時。各市の選挙管理委員会など選挙区ごとに受け付ける。27日には県庁で西彼杵郡区の立候補受け付けのリハーサルが行われ、県選管職員19人が届け出の受理やくじ引き、運動員用の腕章などを渡す作業を確認した。

■人口減への対策不可欠 産業集積や人材育成を 県内の課題 空から考える

 空から長崎県の各地を眺め、確かな鼓動を感じた。農林漁業の豊かな恵みに加え、都市再開発で新たな魅力が芽生えつつある。一方で、産業の育成や所得向上といった諸課題も山積し、それらは九州最速で進行する人口減に直結している。平成最後の県議選を前に、県内の課題を整理した。

 26日、大村市の長崎空港からヘリコプターで北へ向かった。九州新幹線西九州(長崎)ルートが延び、東彼杵町には日本一に輝いた深緑の茶畑が広がる。眼下に見えてきた佐世保市の一角に、県と同市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を図るハウステンボスがあった。

 街の力強さを感じる。だが県全体では人口の転出超過が著しい事実を思い出した。2018年の超過数6311人は全国ワースト6位。平成の31年間で佐世保市の人口に匹敵する約24万人が減り、現在、県内に暮らすのは133万人だ。

 とりわけ若者の流出は深刻。この春、長崎大を卒業して県外企業に就職する男性(23)は「長崎に愛着はあるが、専門性を生かせる職場が少ない。賃金も低いし…」とこぼす。そうした傾向が高齢化率を押し上げ、昨年1月現在で30・78%。高齢者人口のピークは全国平均よりも15年早い25年頃に迎えると予測される。

 諫早湾を閉めきる潮受け堤防を見下ろし、島原半島へ。南島原市と諫早市を結ぶ全長約50キロの島原道路の進ちょくは約3割で、完成はまだ遠い。半島の主力産業の農業分野も高齢化は深刻で、人手不足を外国人労働者で補う取り組みがもうすぐ始まる。

   □    □

 長崎市上空に着いた。その形状から「鶴」と称される港の岸壁の多くを占める三菱重工業長崎造船所のドックは空きが目立つ。韓国や中国に押された造船業は厳しく、貨客船や、液化天然ガス(LNG)運搬船と発電施設を一体化させた「船舶・洋上LNG設備」に活路を求めるが、受注減は地元経済に大きく響く。

 県は「海洋エネルギー」「航空機」「ロボット・IoT(モノのインターネット)」を新産業と位置付け、新年度事業で産業集積や人材育成を図る。「海洋エネルギーと航空機は、造船で培った技術と人材を生かせる」と県産業政策課は意気込む。

 定住人口を増やす“特効薬”が見当たらない中で、県外から長崎を訪れる観光客(交流人口)を増やす努力は欠かせない。県観光振興課によると、17年の県内の観光客数は延べ3356万人で、平成時代に900万人増えた。観光消費額は20年前より1千億円増えたが、観光業者からは「所得向上の実感はない」とのぼやきも聞こえる。

 22年度の九州新幹線西九州(長崎)ルートの暫定開業は、人口流出を加速させる「ストロー」との批判もあるが、一つの起爆剤になるのは間違いない。変化を迎える長崎県で、どんな町を望み、いかに暮らしていきたいのか、県議選をはじめ、統一地方選で有権者が投じる1票で示してほしい。

=2019/03/28付 西日本新聞朝刊=

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ