♪この地球に生まれ落ちて 輝く光に出会う 生きる歓び求めてゆく この世界を受け入れたい…

西日本新聞

 ♪この地球に生まれ落ちて 輝く光に出会う 生きる歓(よろこ)び求めてゆく この世界を受け入れたい/生命(いのち)はめぐる ザ・サークル・オブ・ライフ。サバンナの王ライオンに息子シンバが生まれ、呪術師のヒヒが命の賛歌を高らかに歌い上げる

▼劇団四季の人気ミュージカル「ライオンキング」の幕開け場面。10年ぶりの福岡公演がキャナルシティ劇場で始まった

▼父王は息子に「いのち」について語る。祖父から父、子へと受け継がれるだけではない。草食動物を食べるライオンが死ねば草の栄養となり、その草を草食動物が食べる。そうして命は巡り巡るものだ、と

▼巡るべき命の輪が理不尽に切れてしまうのはやりきれない。九州・沖縄では小中高生の自殺が最も多いのは3月下旬と本紙に。受験や卒業、入学、進学の季節だ。挫折を味わったり、環境の変化で不安定になったりすることもあろう

▼話を舞台に戻す。父王が死に、故郷を追われたシンバは、自分が父を殺したと思い込む。傷ついたシンバを仲間のミーアキャットとイボイノシシが「ハクナ・マタタ(くよくよするな)」と励ます

▼この2匹は福岡公演では博多弁で話す。「どげんかなるばい」「世間が背を向けたんなら、世間に背ば向けちゃれ」。若い命が、輝く光や生きる歓びを見失い、この世界を受け入れ難いと感じたとき、近くに「ハクナ・マタタ」と声を掛けてくれる誰かがいてほしい。

=2019/03/28付 西日本新聞朝刊=

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