「監督責任あるが合法」 嬉野市長、引責否定 出張ホテル会食問題

西日本新聞

アニメ制作関係者との会食問題について記者の質問に答える村上市長 拡大

アニメ制作関係者との会食問題について記者の質問に答える村上市長

 嬉野市の村上大祐市長は28日の定例記者会見で、昨年7月の東京出張中にアニメ制作関係者や職員らと会員制ホテルで会食した写真が流出した問題について「市のイメージを損う結果となった。私もその場に居合わせたので監督責任は非常に重い」と述べた。ただ「非合法行為はない」として、給与減額などの引責を否定した。

 村上市長は、ホテルで一緒に会食した職員2人を22日付で厳重注意処分とした理由について「プライベートといえど注意しなければならず、襟を正すべきだと判断した」と説明した。

 自らの責任の取り方を問われたのに対して「あらゆる角度で検討した。私的な会合での出来事でもあり、減給となれば市民に余計に心配をおかけする部分もある。職責を果たすことが一番の責任の取り方だ」と述べた。

 職員2人が会食後に費用を負担せず、そのままホテルに宿泊したことについては「よろしいことではなかった」としながらも「道義的な問題であり、非違行為と断じることはできない」と述べた。自らの監督責任については認めた。

 処分された職員の一人が2017年度に市の業務委託先の見積書を作成したことについて、村上市長は「(市監査委員から)瑕疵があるといわれている。基本的にしない行為だ」と説明。その上で、委託先の意思が見積書に反映されていることから「効力を失うものでない」と述べた。

    ◇      ◇

■写真流出が問題なのか 佐賀総局長宮田英紀

 東京出張中にアニメ制作関係者らと会食した職員2人を処分した嬉野市の村上大祐市長は、28日の記者会見で処分は「写真流出」によるものであることを重ねて強調し、会食に同席した自らの引責も否定した。

 都内の会員制ホテルで行われた会食では、気泡風呂に入ってグラスを傾ける職員や手のひらの気泡を吹く村上市長の写真が撮影され、市民らに広まった。

 市長の会食は市政治倫理審査会の調査対象となり、政倫審は「会食の主催者は利害関係者には当たらない」などとして、市政治倫理条例には抵触しないと判断した。一方で、付帯意見として「今回の案件は、市長の政治倫理の問題のみならず、本市の政治や行政に関わる全ての人が政治倫理や公務員倫理を順守するよう警鐘を鳴らしたものであった」と指摘。市職員を含めて「高い倫理意識」を持つよう求めた。

 今回の職員処分について、村上市長は「プライベートといえど襟を正す」とする。ただ、直接の処分理由は信用失墜行為などではなく「写真流出」だ。

 また、同様に写真が流出しながら自らは引責しない理由について、村上市長は「写真の質(の違い)」と説明。自身の東京出張の旅費が実際と異なる経路で精算されるなど政倫審で問題視された点が処分対象になっていないことについては「非違行為と断じることができなかった」などとした。

 本紙は昨年秋から会食問題などの取材を続けてきたが、その過程で担当してきた記者を懲戒処分せざるをえないことがあった。

 現行の市情報公開条例は、市外からの公開請求に制約があり、市外在住の担当記者はやむなく、協力してくれた市民を請求者として情報公開を求めたのだが、氏名を書き損なうなどの不手際があり、協力者に多大な迷惑を掛けてしまった。

 条例に制約がある以上、真実に近づくために報道機関はあらゆる取材手法を試みなければならない。だからこそ、守るべき取材協力者を守るという記者倫理を果たせなかった以上、厳正な対処は当然である。

 今回、他の多くの市より遅れていた情報公開条例の改正に、村上市長が前向きな見解を示したことは私たちも重く受け止めたい。

 一方、監督責任は認めながらも、法令違反はないことを理由に、村上市長が自らの引責を否定したことには、職員に対する処分との整合性の面からも釈然としない思いが残る。

 佐賀市の旧富士小学校体育館改修問題では、明らかな法令違反が無くても当時の副市長が辞職し、秀島敏行市長も市民の不信を招いたことなどを理由に自らを減給している。

 旧富士小問題を引き合いに、記者から今回の対応が市民の理解を得られるかを問われた村上市長は「市民がどう考えるかは私も注視したい」と答えている。

 「注視」の結果を私たちも注視している。

    ◇      ◇

■「情報公開のあり方、庁内で検討したい」 村上市長

 嬉野市の村上市長は28日の記者会見で、情報公開の請求を市外の住民にも認めるように情報公開条例の改正を求める請願が市議会で採択されたことについて「議会が承認したことを受け止め、情報公開のあり方を庁内で検討したい」と述べた。結論を出すめどは明言しなかった。

=2019/03/29付 西日本新聞朝刊=