ファンにとっては、一年で最もわくわくする日かもしれない…

西日本新聞

 ファンにとっては、一年で最もわくわくする日かもしれない。きょうプロ野球が開幕する。ひいきのチームの白星黒星、応援する選手の活躍に一喜一憂。「やったぜ」の乾杯、「くやしい」のやけ酒の日々が始まるご同輩もおられよう

▼これに先立ち、米大リーグの開幕戦が日本で行われた。イチロー外野手の現役見納めかもしれない、という予感もあって、中継画面にくぎ付けになった

▼ちょっとした違和感が。そう、とても静かなのだ。日本の野球の応援はトランペットや太鼓などの鳴り物が付きもの。米大リーグにはその習慣がない。剛速球が捕手のミットに「ズバーン」と収まる。強打者の一振りは「カキーン」と快音を残し白球はスタンドへ。選手が掛け合う声までテレビから聞こえて新鮮だった

▼例えば、大相撲の立ち合い。力士が呼吸を合わせ始めると場内は静まり、緊張感が高まっていく。ガツンと体のぶつかる音とともに大歓声が湧き起こる

▼もちろん相撲と野球を一緒にはできない。鳴り物に合わせて観客が一体となり、選手の名を呼び、歌い、手拍子するのも観戦の大きな楽しみだ。日本独自の野球文化だろう

▼球場も巨大スクリーンの派手な映像と音楽、格闘技風の選手紹介、花火、風船飛ばしなど娯楽性がどんどん増している。それもいいけれど、試合を左右する場面くらいは、息をのむ緊張感の中で一投一打に集中するのも悪くない。

=2019/03/29付 西日本新聞朝刊=

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